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1000倍高効率ナノLEDで高速マイクロチップ

February, 9, 2017, Eindhoven--世界的にデータトラフィックが激増しているのでマイクロチップ間の電子データ接続がますますボトルネックになりつつある。次に来るのが光接続であることは明らかだが、光データ伝送はナノスケールの光源を必要とする、しかしこれはまだ実現していない。
 アイントホーフェン工科大学(TU/e)の研究チームは、最適特性を持つ光源を開発した、ナノ-LEDは以前のものよりも1000倍効率的であり、ギガビット/秒データ速度を取り扱うことができる。研究成果は、Nature Communicationsに発表された。
 電気ケーブルがその限界に達すると、ファイバガラスのような光接続がデータトラフィック向けではますます標準になってくる。長い距離ではほぼ全てのデータ伝送が光になる。コンピュータシステムやマイクロチップ内でも、データトラフィックの伸びが急増しているが、トラフィックはまだ電気であり、これがますますボトルネックになりつつある。こうした接続(インタコネクト)が、チップが消費するエネルギーの大半を占めるので、世界の多くの研究者が光インタコネクト(フォトニック)に取り組んでいる。ここで重要になるのがデータを光信号に変換する光源である。この光源は、マイクロチップの微小構造に適合するサイズでなければならない。同時に、出力容量と効率が優れていなければならない。特に効率が難題である。ナノワットあるいはマイクロワット駆動の小型光源は、これまで常に極めて非効率だったからである。
 TUアイントホーフェンの研究チームは、光信号を伝送する光チャネル(導波路)を集積した数100ナノメートルのLEDを開発した。この集積ナノ-LEDは、これまでに開発された最高のものと比較して100倍効率的である。TU/e研究チームは特に、光源と導波路の集積品質で前進した。これにより、光損失は著しく少なくなり、より多くの光が導波路に入るようになった。この新しいナノ-LEDの効率は現在、0.01~1%の間にあるが、新しい製造法により、その数字は向上すると研究チームは見ている。
 この新しいナノ-LEDのもう1つの重要特性は、InP膜上のシリコン基板に集積されていることである。シリコンはマイクロチップの基本材料であるが、発光には適していない、それに対してInPは発光に適している。さらに、この新しい素子が電気信号を素早く光信号に変換し、数Gbpsのデータ速度を扱うことがテストで明らかになっている。