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ORNL、大規模量子ドット製造技術を実証

June, 20, 2016, Oak Ridge--エネルギー省オークリッジ国立研究所(ORNL)の研究チームが実証したことで、発光ディスプレイ、センサ、太陽光パネル、生体医療アプリケーション向け半導体ナノ粒子の量産法が勢いづいてきた。
 二硫化亜鉛ナノ粒子、半導体量子ドットの1つは潜在的に多くのアプリケーションがあるが、高価で入手が限られていることが普及の妨げになっていた。しかしORNLの技術によってこれが変わろうとしている。
 従来の無機アプローチは、高価な先駆体、毒性化学物質、高温・高圧を用いるが、これとは異なり、ORNLのJi-Won Moonは、華氏150度、25ガロン、250ガロンリアクタで安価な糖を利用するバクテリアを用いた。最終的にチームは、硫化亜鉛ナノ粒子を約3/4ポンド作製した、プロセスの最適化は行っていないので、さらなる量産が可能である。
 ORNLバイオ製造技術は、ナノメートルサイズの半導体材料、磁気、PV、触媒および蛍光体材料も製造できるプラットフォーム技術をベースにしている。細胞内で起こるほとんどのバイオ合成技術とは異なり、ORNLのバイオ製造量子ドット合成は細胞外で起こる。その結果、ナノマテリアルは弛緩粒子として製造され、簡単な洗浄や遠心により容易に分離される。
 Moonによると、ORNLのアプローチは他の方法と比較して製造コストを約90%削減できる。
 「バイオマ製造法は量子ドット径を制御できるので、特殊調整の半導体ナノマテリアルを幅広く製造できる。したがって、エレトロニクス、太陽電池、コンピュータメモリ、エネルギー蓄積、プリントエレクトロニクス、バイオイメージングを含む広範なアプリケーションにとって魅力的である」とMoonはコメントしている。
 発光ナノ粒子、半導体ナノ粒子のバイオ製造法の成功は、高信頼、再現性、経済的な歩留まりを持つナノメートルスケールでの材料合成のコントロールを必要としている。Moonによると、ORNLのアプローチは、そうした目標を達成している。
 研究チームは、この量子ドットは、まずPVセルのバッファ層に用いられ、また発光材料としての電気光特性の恩恵を受ける他の薄膜ベースのデバイスにも使われると考えている。