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超高感度で振動耐性のあるガスセンサ

June, 7, 2016, Garden City--アデルフィ大学の研究チームは、二酸化窒素などの超低濃度ガスを正確に、ほぼ瞬時に検出できる新しい機器を開発した。
 デバイスは、小さな振動があっても機能する。この点は、デバイスがフィールド設置の場合は重要である。通過する自動車、近隣の機械、あるいは温度変化や空気の流れによる振動の可能性があるからだ。
 ディテクタは、実証済みの計測技術、キャビティリングダウン分光法(CRDS)を使う。CRDSで、レーザは光パルスをミラーで形成され正確にアライメントされたキャビティに打ち込む。パルスが途切れると、光はキャビティ内で跳ね回りゆっくりと漏れ出る。光が出るまでの時間をリングダウンタイムと言う。キャビティがレーザ波長を吸収する微量のガスを含んでいると、光の一部が吸収されてなくなるので、リングダウンタイムは少なくなる。リングダウンタイムの変化を計測すると、微量ガスの濃度が分かる。
 センサが機能するには、レーザはキャビティと共鳴関係になければならない、つまり光が飛び跳ねる時間が長くなるように、光の波長がキャビティ長と一致しているということである。標準的なCRDSセンサは振動誘起エラーの影響を受けやすい。キャビティ長のわずかな変動で感度が劇的に落ちるからである。その結果、CRDSをフィールドで使用するには、特別な振動分離装置が必要になる。
 研究グループが提案した振動感度の解決策は、レーザが多様な方法でキャビティと共鳴するようにレーザとキャビティのアライメントをシフトすることに関わる。長さの変化によって1つの共鳴がなくなると、他の共鳴がバックアップとして機能する。しかし、この解決策は、ディテクタの感度を低下させる。
 別のアプローチでは、ハイパワーブロードバンドレーザを用いた。これは、一般的なCRDSレーザよりも高帯域の波長をもつ。振動によるキャビティ長のわずかなシフトは、キャビティ共鳴を、レーザがすでに発振している他の波長にシフトするだけでよい。
 研究グループは、微量濃度の二酸化窒素を計測することで、そのデバイスをテストした。「レーザの波長を変えると、その技術は直ちにメタン(強力なグリーンハウスガス)、アンモニア(大気汚染物質)、二酸化硫黄(化石燃料を使う発電所からの汚染物質)などの他の気体のモニタにも適用できる」とアデルフィ大学物理学者、Gottipaty Raoはコメントしている。
 現在、大気中の二酸化窒素モニタリングは、光を発する化学反応、化学発光を用いて行われている。これはリアルタイム計測ができず、ガスの絶対濃度を得るためには高度なキャリフレーション手続きが必要になる。CRDSは、化学発光に対して独自の優位性がある。