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シリコン上に初の量子カスケードレーザを作製

April, 22, 2016, Washington--UCSB(University of California, Santa Barbar)のAlexander Spottをリーダーとする研究チームは、シリコン上に初めて量子カスケードレーザ(QCL)を作製した。この進歩により、化学結合分光、ガスセンシングから、天文学やフリースペース通信までのアプリケーションが広がる。
 レーザをシリコンチップ上に直接集積することは難しいが、外部のレーザ光をチップに結合するよりもはるかに効率的であり、コンパクトになる。シリコンの間接バンドギャップのために、シリコンからのレーザ発振は難しいが、ダイオードレーザを、InPやGaAsのようなIII-V材料で作ることは可能である。III-V層をシリコンウエファ上に直接ボンディングし、次にIII-V層を使ってレーザ利得を得ることによって、この同じグループはシリコン上に2µmで動作するMQWレーザを集積した。ダイオードレーザの制約により、もっと多くのアプリケーションがある長波長に行くことができないので、研究グループは、代わりに量子カスケードレーザ(QCL)を利用することに考えを変更した。
 シリコンダイオードは中赤外の長い方の波長で吸収が強くなるので、シリコン上に量子カスケードレーザを作製することはかなり難しかった。「つまり、われわれはシリコン上に異なるタイプのレーザを作製しなければならなかっただけでなく、異なるタイプのシリコン導波路も作製しなければならなかった。われわれは、SONNOI (silicon-on-nitride-on-insulator)というタイプの導波路を作製した。これはシリコン導波路の下で、SiO2ではなく、シリコンナイトライド(SiN)層を利用する」とSpottは説明している。
 Spottによると、このブレイクスルーによっていくつかのアプリケーションが可能になる。「従来シリコンフォトニックデバイスは、近赤外波長で動作するものであり、アプリケーションはデータ伝送や通信である。しかし、このようなシリコンフォトニックデバイスを中赤外波長で実現することに新たな関心が生まれてきている、アプリケーションは、幅広いなセンシングや検出、例えば化学結合分光、ガスセンシング、天文学、海洋学センシング、赤外線画像、爆発物検出、フリースペース通信などである。
 研究チームの次のステップは、放熱を改善しすることで、このようなQCLの性能を高め、シリコン上に連続波(CW) QCLを実現することである。