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レーザ加工ファイバがプラスチックを補強

March, 18, 2016, Aachen--今日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)のような複合材料が工業連続生産の世界に広がっている。そのような材料は取り扱いが難しいと考えられているが、最新のレーザにより、均一な品質で短いサイクルタイム達成が可能になっている。フラウンホッファレーザテクノロジー研究所ILTは、複合材料を加工するための全範囲レーザベース技術を開発した。
 複合材料は、その高強度と軽量が知られているのは自動車や航空分野だけではない。多くの他の新しい産業もこのような新材料を使い始めており、加工法とともに材料に対する要求が増えている。
 フラウンホッファILTは、数年前からレーザを使って複合材料の加工法を設計してきた。これに含まれるのは、切断、アブレーション、穴あけ、溶接、プラスチック-金属ハイブリッドコンパウンドの結合である。
 CFRPは、大きく異なる2つの成分である、高強度、温度耐性の高いカーボンファイバとソフトなプラスチック母材でできているので、取り扱いが難しい。材料が厚くなればなるほど、損傷のない切断がますます難しくなる。レーザビームは、そのようなシナリオでは理想的な、摩耗のないツールである。レーザは、高速で切断輪郭を何度も通過し、これによって材料の損傷を最小化する。この特殊技術は、航空分野を含む産業向けに、EU助成のHyBriLightプロジェクトの一環として開発された。
 特に自動車産業には、プラスチックと金属のような異種材料を高信頼に、永続的に接合する必要性から発生した解決が難しい問題がある。フラウンホッファILTの専門技術者は、産業アプリケーションに適したソリューションを考案した。二段階のプロセスで、金属表面はまずレーザで構造化される。次に、プラスチックはレーザまたは誘導加熱デバイスで加熱され、金属部分と接着される。
 接着剤による接着と異なり、このプロセスは接着剤なしで行われ、硬化や表面洗浄の追加時間も不要である。金属側を準備すると、微小構造はさらに加工対象のそれに続く力の流れに適応させられるので、金属コンポーネントは可能な限り薄く軽量にできる。
 その技術はEUのMPJoinプロジェクトで自動車産業のパートナーと共同で開発された。
(詳細は、www.ilt.fraunhofer.de)