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ユタ大学、超高速コンピュータに道を開く新しい2D半導体材料を開発

February, 29, 2016, Salt Lake City--ユタ大学(University of Uhta)のエンジニアは、エレクトロニクス向けに新しい種類の2D半導体材料を発見した。これにより、コンピュータやスマートフォンは著しく高速になり、消費電力も大幅に少なくなる。
 スズと酸素原子、つまり一酸化スズ(SnO)でできた半導体は、わずか1原子厚の2D材料の層である。ここでは電荷は、シリコンのような従来の3D材料よりもはるかに高速に移動する。この材料は、コンピュータのプロセッサや、デスクトップ、モバイル機器のグラフィックプロセッサなど、あらゆる電子デバイス、トランジスタに使える。この材料を発見したのは、ユタ大学材料科学・工学准教授、Ashutosh Tiwari。
 エレクトロニクス機器に使用されるトランジスタや他のコンポーネントは現在、シリコンのように3D材料でできており、ガラス基板上に多層化されている。しかし、3D材料の問題は、電子がレイヤの内部であらゆる方向に跳ね回ることである。
 2D(財)利用は、わずか5年ほど前に始まった新しい研究分野であるが、そのメリットは材料がわずか1原子、2原子厚の1つのレイヤでできていることである。したがって、電子は「1つのレイヤを動くだけであり、そのため非常に高速である」とTiwariは説明している。
 この分野の研究者たちは最近、グラフェン、二硫化モリブデン、ボロフェンなどの新しい2D材料を発見したが、それらはN型の動作、つまり電子だけが動ける材料である。しかし電子デバイスを作るには、N型とP型電荷(ホール)の両方が動くことができる半導体材料が必要になる。Tiwariの研究チームが発見した一酸化スズ材料は、初めての安定的P型2D半導体材料である。