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UCLA、テラヘルツ領域の「メタサーフェス」レーザを開発

December, 25, 2015, Los Angels--UCLAヘンリー・サミュエリ工学・応用科学校の研究チームは、テラヘルツ波長で動作する半導体レーザを造る新たな方法を確認した。このブレイクスルーは、新しい種類の高品質で強力なレーザの開発につながる。このようなレーザのアプリケーションは、宇宙開発、軍事および警察などがある。
 UCLA電気工学准教授、Benjamin Willamsをリーダーとする研究チームは、テラヘルツ域で動作する初めてのVCSELを開発した。可視光のVCSELは広く用いられており、高出力ビームを生成する。しかし、その技術がテラヘルツ周波数に適用されたことはなかった。
 高品質のビームを持つ外部キャビティレーザを実現するためにUCLAの研究チームは、「リフレクタアレイ・メタサーフェスミラー」を持つVCSELを作製した。そのデバイスは、多数の小さなアンテナ結合レーザキャビティアレイでできているので、そのように名付けられている。デバイスでは、テラヘルツ波がアレイに当たると、キャビティが「見えなく」なり、むしろ簡単な平面鏡で反射されるているかのように反射される。しかし、簡単なミラーとは異なり、そのミラーはテラヘルツ波を反射すると同時に増幅する。
 Williams氏によると、これはメタサーフェスとレーザを結びつけた初の例である。「VCSELアプローチにより、テラヘルツ域において高出力と優れたビーム品質を同時に提供する道が開ける。メタサーフェスアプローチによって、ビームを加工し所望の偏光、形状、スペクトル特性が得られるようになる」。
 対称的で、長い距離にわたって真っ直ぐなビームを作り、さらに熱的条件を変えることは多くの半導体レーザの課題であるが、特にテラヘルツQCLには難しい。QCLは、通常、波長よりもはるかに小さな寸法の金属レーザキャビティを持つ。
 論文の筆頭著者、Luyao Xuは、「この増幅メタサーフェスを外部キャビティの一部として使うことで、ビームパタンを改善できるだけでなく、異なるキャビティ設計のこのレーザに新たな機能を導入することができる。例えば、独立のワイヤグリッドポラライザをフィルタあるいは第2ミラーとして使うことで、ポラライザを回転するだけでレーザの出力と効率を最適化できる」と説明している。