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テラヘルツでリアルタイム層厚計測

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May, 15, 2018, Berlin--テラヘルツは、非破壊材料試験の重要技術である。主な利点は、物理的な接触のない試験、低コントラスト範囲で複雑なシステムを分析すること。この場合、確立された超音波法は、通常失敗する。フラウンホーファーHHIは、コスト効果のよい、コンパクトな計測システムの開発に成功した。これは、多層システムの厚さを初めてリアルタイム計測する、たとえばラッカーラインである。新しいテラヘルツ計測システムT-Sweeperは、Hannover Messe展示会で発表された。
 HHIテラヘルツ研究グループ長Björn Globischの研究チームは、これまで使われていたフェムト秒パルスレーザをコンパクトな連続波(CW)レーザ技術で置き換える計測デバイスの開発に成功した。このCW計測システムは1秒に8回計測できるため、パルスレーザを使うことなくリアルタイム計測ができる初の重要技術となる。
 テラヘルツ放射を生成するためにHHIが利用する原理は、光電子過程をベースにしている。特殊な半導体コンポーネントを使い、2つの連続波レーザのビートをテラヘルツ放射に変換する。これは、2つのレーザの差周波に相当する。
 過去にテラヘルツ技術の大きな成功がなかったのは、使う半導体の特性に大きく依存する。これらの特性は当初、800nm波長での照射を必要とする材料でしか達成されなかった。このかなり珍しい波長では、テラヘルツシステムのレーザも光コンポーネントも著しく高価になり、産業アプリケーション向けにはあまり堅牢でないことを意味する。
 Globischは、「1.5µm波長のレーザで励起する半導体を開発した理由はここである」と説明している。「これは光通信技術の標準波長であり、したがって、コスト効果のすぐれた高品質の光コンポーネントとレーザが大量に利用できることを意味する」。しかし、材料試験で競争力のある実用的なテラヘルツシステムとするには、もう1つの障害を克服しなければならなかった。従来のリアルタイムテラヘルツシステム全体がベースにしているパルスレーザは、既存システムの決定的なコスト要因である。フェムト秒レーザは、技術的に複雑で、それ自体が高価であるばかりか、パルスレーザを使いテラヘルツ分光計には追加のオプトメカニカルコンポーネントが必要であり、これは精密製造し、非常に複雑な手順で調整しなければならない。
 1つの代替は連続波分光計である。テラヘルツパルスの代わりに連続波放射を生成する。2つの連続波レーザ光源を混合し、そのビート信号を特殊な半導体デバイスでテラヘルツ放射に変換する。生成されたテラヘルツ放射波は、レーザ波長の相互関係を変えることで容易に変調できる。連続波システムには、パルステラヘルツシステムと比較して2つの決定的な優位性がある。まず、レーザ光源自体がよりコンパクトで安価である、第二に、システム動作にオプトメカニカルコンポーネントが不要になること。
 連続波テラヘルツシステムはすでに利用可能であるが、計測信号を捉えるには数秒~数分の時間を必要としている。それに対して、産業アプリケーションは、、製造ではロボットアームが塗装/コーティングコンポーネントの計測点を動き、コーティング厚を計測する。製造サイクルは維持されなければならないので、計測ポイント毎の時間はほんのわずかである。これまで、連続波テラヘルツシステムの計測速度は、遅すぎて非破壊試験アプリケーションでは実用的ではなかった。
 HHIは、この問題を超高速(Finisar WaveSource)で調整できるレーザを使い、エレクトロニクス、データ取得、必要とされる高速性を収容するアルゴリズムを変更することで解決した。この組合せは、以前のシステムと比較して、計測速度を160倍高速化した。これにより初めて、連続波テラヘルツシステムで,材料試験をリアルタイムで実施することが可能になった。
(詳細は、https://www.hhi.fraunhofer.de)