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世界最高クラスの高出力・高輝度青色半導体レーザを製品化

January, 26, 2018, 京都--NEDOプロジェクトの成果をもとに、島津製作所は、世界最高クラスの高出力・高輝度青色半導体レーザを製品化した。
 新製品は、NEDOプロジェクトで同社が大阪大学と共同開発した青色半導体レーザ技術を実用化したもので、出力100Wと輝度1.3×106W/cm2の高出力・高輝度を実現している。従来の青色半導体レーザでは実現できなかった金や銅などの熱伝導溶接、レーザマーキング、3Dプリンタでの積層向けの光源への応用が期待でき、加工時間の短縮や消費電力の低減に貢献する。

島津製作所は、同社が展開する青色半導体レーザ「BLUE IMPACT」シリーズのラインアップに今回開発した製品を加え、1月30日から販売を開始する。

高出力・高輝度青色半導体レーザの特徴
【1】世界トップクラスの出力と輝度を実現
多数のレーザ素子からの光を合成してコア径100μmの細径ファイバに集約することで、同径においてこれまでの青色半導体レーザでは実現できていなかった世界最高クラスの高出力(100W)かつ高輝度(1.3×106W/cm2)を達成した。一般に、金属表面を十分に溶融させるには1.0×106W/cm2以上の輝度が必要とされるのに対し、新開発のレーザはこれを上回る輝度を達成したことで、青色半導体レーザによる本格的な金属のレーザ加工が可能になる。レーザを照射して表面を溶融する熱伝導溶接、レーザマーキング、3Dプリンターでの積層向けの光源などとしての使用が期待できる。

【2】光源としての高い応用可能性
波長450nmの青色半導体レーザ素子複数個からの光を一本のファイバに集光・伝播させているため、100Wの青色半導体レーザをフレキシブルに取り回すことができる。また、独自の精密溶接工法を用いた構造により、光源としてはH88mm×W430mm×D420mm(ファイバを除く)とコンパクトであり、他の機器への組み込みが容易。レーザの出力はパソコンから制御可能であり、連続出力から最大10kHzの変調駆動ができる。加工部周辺への影響が最小限の入熱量で金属を加工可能なため、熱変性領域の小さい高品質・高効率な加工が期待でき、さらなる加工時間の短縮や消費電力の低減にも貢献する。
(詳細は、www.nedo.go.jp)