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多地点で異常を瞬時に検出「光ファイバセンサ」評価キットを提供開始

October, 19, 2017, 東京--OKIは、製造ラインや橋梁などの社会インフラ設備における多地点での温度・歪みのリアルタイム分布測定を可能とした「光ファイバセンサ」評価キットを10月20日より提供開始する。OKI独自開発の新技術を採用した評価キットは、1m間隔での広範囲な分布測定を可能とし、瞬時の異常検出により、製品の品質向上や社会インフラの安全に貢献する。
 昨今、センシング技術の発達でIoT(Internet of Things)システムの市場が急速に拡大するなか、製造ラインや工場内の温度監視、橋梁や道路などの社会インフラ監視において、長距離・広範囲で温度・歪みをリアルタイムに計測することで、製品品質の向上や、安全・安心な社会の実現への貢献に対する期待が高まっている。しかし、これまでは広い測定範囲に多くの電気式センサを設置し、情報を収集する方法が一般的で、ネットワークを含めた機器の導入および設置に膨大なコストがかかっていた。そのため、解決策として光ファイバセンシング技術が注目されていたが、従来の技術では、多数のデータ演算処理を実行して計測結果を得るために時間がかかり、リアルタイムに状況変化をとらえるための利用に適さないという課題があった。
 OKIは、これらの課題に着目し、通信市場で長年取り組んできた高速光通信技術を活かし、独自の新技術「SDH-BOTDR方式」(特許出願中)の光ファイバセンシング技術を開発した。独自技術を採用したOKIの「光ファイバセンサ」評価キットは、既存のBOTDR方式にないリアルタイム分布測定で、製造、防災、社会インフラなど様々な分野での活用が期待できる。
 BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometry:ブリルアン光時間領域反射測定法)は、光ファイバに光パルスを入射したときに発生する後方散乱光の1つである「ブリルアン散乱光」の周波数が温度や歪みに比例して変化するという特性を利用した光ファイバセンシング手法。
 SDH-BOTDR(Self Delayed Heterodyne -BOTDR:自己遅延ヘテロダインBOTDR)は、OKI独自の新技術(特許出願中)により、周波数の変化を位相シフトで捉えることで大幅に計測時間を短縮した新たな光ファイバーセンシング手法。

評価キットの主な特長
・光ファイバにより最大10kmでの長距離・広範囲計測が可能
・温度と歪みを1秒未満でリアルタイムに測定し、素早く変化点の特定が可能(BODTR方式は10秒~数分であり、それに比べ最大1000倍の高速計測可能)
・短期間の導入で1週間~1ヵ月におよぶ屋内外の実験検証に適用可能