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次世代照明ディスプレイを可能にするペロブスカイトLED

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August, 27, 2020, Washington--ハロゲンペロブスカイト材料でできた新しいLEDsは、色品質向上、製造容易性を約束するが、一般に実用的用途に必要とされる電流を受けると壊れることが知られていた。
 
電気工学准教授、Andlinger Center for Energy and the Environment、Bary Randと研究チームは、LEDsが生成する熱管理を改善することで材料の安定性と性能を大幅に改善した。

Advanced Materialsに発表された研究成果は、材料内の熱蓄積を減らし、その寿命を10倍に延ばす複数の技術を特定している。デバイスがオーバーヒートしないようにすると、一般的な携帯電話ディスプレイよりも数百倍の強度の光を生成するだけの電流を流すことができた。W/㎡で計測された強度は、デバイスからの実際の光量を反映しており、人の眼や光の色に影響されない。以前はそのようなレベルの電流は、LEDが壊れる原因となった。

その進歩は新たな輝度記録を樹立し、ペロブスカイトLEDsの安定した特性を強化し、その特性が実用的に利用できるようにすることでその材料で可能な限界を広げる。

「高電流で動作するこれらの材料で熱が主要なボトルネックと考えられることを初めてわれわれが示した。つまり、その材料は明るい照明やディスプレイに利用できるということであり、これは可能であるとは考えられていなかった」とRandはコメントしている。

Randによると、さらなる開発のための明確な経路が開かれたが、その技術が大規模商用利用されるまでには10~20年はかかる。

デバイス内にジュール熱、つまり電流による熱の蓄積を収容するために、研究チームは、重要要素に入念に対処した。電気伝導性を高め、動作中に生成する熱が少なくなるようにデバイスの材料組成を改良した。さらに通常よりもデバイスを狭く、厚さを人の髪の毛の1/10にして、熱拡散を改善した。さらに、ヒートシンクを追加した。 

これらのキーエレメントを設置すると、チームは連続的にデバイスに「パルス」を加える方策をとった、つまりそれを素早くON/OFFする。人の眼には、そのフリッカーは見えないがデバイスが回復し冷えるまでには十分な時間である。この部分の研究は、共著者、Claire Gmachlの専門技術を利用した。デバイスが実際にONになっている時間量を減らすことで、チームは効率向上を達成し、これまでに報告されていたよりも長い時間、デバイスを動作させることができた。Randによると、その作業は、照明や高輝度ディスプレイに必要な高パワー密度でペロブスカイトLEDsを動作させるための誘導の「仕方」である。

Feng Gao、スウェーデン、Linköping Universityの物理学、化学、生物学部教授によると、その研究は、その領域にとって「重要なブレイクスルーである}、と言う。

これまで研究者は、ペロブスカイトLEDsは中レベルの輝度を作り出すために利用できると考えており、照明や、携帯電話やラップトップ用の超高輝度ディスプレイ用には考えていなかった。

「可能なアプリケーションの範囲が増強された」とZhaoは言う。

 ベロフスカイトLEDsの最も魅力的な部分の一つは、その製法である。今日照明に利用されている従来の無機LEDsの製造と比べて必要なエネルギー量は遥かに少ない。従来のLEDsは、単結晶でできており、製造が非常に難しく高コストであり、超高真空システムや1000℃以上の温度を必要とすることもある。ペロブスカイト材料は一般に100℃以下で造られ、インクジェットプリンティングと同様のプロセスで溶液から形成される。その技術が商用化されると、必要なエネルギーは大幅に少なくなり、これらのエレクトロニクスのカーボンフットプリントは、製造と運用の両方で大幅に少なくなる。

ペロブスカイトLEDsは、ピュアな濃色を生成する。また、研究者はその材料を、安価で造りやすいレーザの作製にも利用したいと考えている。

(詳細は、https://ee.princeton.edu)