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新しいSHGイメージング技術を開発

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May, 29, 2014, Berkeley--遷移金属二カルコゲン化物のような半導体の単一原子層を用いて超小型で超高速電子デバイスを開発する動きが大きな勢いを得ている。米国エネルギー省(DOE)のローレンスバークリ国立研究所の研究グループは、二硫化モリブデン単一層端に沿って強い非線形光学共鳴を初めて観察した。
 これらエッジ状態は、ナノエレクトロニクスで二硫化モリブデンを利用する際の決め手になる。また、燃料電池の水素発生反応の触媒、脱硫、その他の化学反応でも同様である。
 この研究を主導する、バークリーラボの材料科学部研究者、Xiang Zhang氏によると、これら1次元エッジ状態は電子構造変化の結果であり、新しいナノエレクトロニクスやフォトニックデバイスの可能性がある。「これらのエッジは、以前から、エネルギーアプリケーションで電極触媒水素放出反応の活性部位になるのではないかと考えられていた。われわれは、特別な第2高調波光生成特性も発見した。これは、1次元原子エッジで起こる電子的変化や化学反応のその場でのモニタリングに使える可能性がある」と同氏は説明している。
 新たに登場してきた2D半導体は、シリコンに比べて優れたエネルギー効率を持ち、遙かに高い電流密度を流せる能力があることからエレクトロニクス業界では重要視されている。わずか1分子厚で集積オプトエレクトロニクスデバイスに適合する。最近までは、グラフェンが2D材料の揺るぎないスーパースターであったが、今日では2D半導体結晶への注目度が大きくなっている。2D半導体結晶は、モリブデン、タングステン、ニオブなどの単一層からなる。これは、硫黄やセレンなどカルコゲン原子の2層にサンドイッチされている。グラフェンと同じフラット六角形「ハニカム」構造を持ち、多くの同じ電気的利点を特徴とするこれら遷移金属二カルコゲン化物は、グラフェンとは異なり、直接エネルギーバンドギャップを持つ。これにより、トランジスタやその他の電子デバイス、特に発光ダイオードでは、その応用で促進される。
 遷移金属二カルコゲン化物の膨大な可能性をフルに実現するには、特異な特性を生み出す、その結晶構造のドメイン配向をよく理解する必要がある。しかし、今日まで、これら3原子厚とそのエッジを実験的にイメージングすることは、多くの場合、利用が困難である走査トンネル顕微鏡と透過型電子顕微鏡に限られていた。Zhang氏の研究グループは、結晶端および境界における非線形光学で、SHG光放出に基づいた新しいイメージング技術の開発を可能にした。この技術では、光学顕微鏡で、結晶構造や結晶粒構造を容易に捉えることができる。
 論文の筆頭著者、Xiaobo Yin氏によると、この非線形光学イメージング技術は2D原子材料研究への非侵襲的、高速、容易な計測アプローチである。「特別な基板や真空環境にサンプルを用意する必要がない。イメージングプロセスで、計測によってサンプルが摂動されることはない。さらに、このイメージング技術は超高速計測であり、重要な動的情報が得られる。また、装置は、走査トンネル顕微鏡や透過型電子顕微鏡と比べて遙かに単純であり、安価である」。
 二硫化モリブデンのSHGイメージングでは、赤外光の超高速パルスを用いてわずか3原子厚のサンプル膜を照射した。サンプルの非線形光学特性は、可変でコヒレントな可視光で強いSHG応答を生成した。SHG生成により得られた画像によって研究チームは、並進対称性が破れる、わずか数原子幅の2D結晶に沿って「構造的不連続性」、エッジを検出できた。
 「SHG信号の偏光成分を解析することで、二硫化モリブデンの原子膜の結晶方向をマッピングすることができた。これにより、結晶粒構造の完全マップを作成することができ、結晶方向毎に色分けすることができた」と共著者、Ziliang Ye氏は説明している。