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球形よりもプレートレットの方がスクリーンを経済的にする

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February, 20, 2020, Zurich--ETH-Zurich研究チームは、スクリーン向けに、QLED技術の開発をさらに進めた。チームは、一方向だけに高強度光を発光する光源を初めて作製した。これは、散乱損失を減らし、極めてエネルギー効率の良い技術になる。

QLEDスクリーンは、数年前から市場に出ている。それらは、量子ドット技術を利用して明るく強い色で知られている。ETH-Zurichの研究チームは、QLEDsのエネルギー効率を高める技術を開発した。ダイオード内部の光散乱損失を最小化することで、生成する光の大きな割合が出力される。

従来のQLEDsは、量子ドットとして知られる多数の球形半導体ナノ結晶で構成される。スクリーンで、これらナノ結晶がUV光で背後から励起されるとき、可視範囲の色の光に変換される。各ナノ結晶が生み出す光の色は、その材料の成分に依存する。

しかし、これらの球形ナノ結晶が放出する光は、スクリーン内部で全方向に散乱する。外の世界に出て可視光となるのはその1/5程度に過ぎない。その技術のエネルギー効率を高めるために研究チームは、長年取り組んできて、一方向にのみ発光するナノ結晶を開発した。そのような光源は、すでにわずかながら存在する。しかし、球形結晶の代わりに、これらの光源は、一方向にのみ発光する(プレートレット面に対して垂直)超薄型ナノプレートレットで構成されている。

これらのナノプレートレットを相互に配置して層にすると、スクリーンには十分でない比較的弱い光を生み出す。その光強度を高めるために研究チームは、これらのプレートレットを数層重ね合わせようとしている。このアプローチの問題は、そのプレートレットが相互作用し始めることである。その結果、光はまた、一方向にも全方向にも放出される。

スタックして相互に絶縁
 ETH-Zurichの技術化学教授、Chih-Jen Shihのチームは、極薄(2.4 nm)半導体プレートレットを、さらに薄い(0.65 nm)有機分子の絶縁層で相互に分離する方法でスタックした。この層により、量子・物理的相互作用が阻止される。つまり、プレートレットが、スタックされていても、大部分は1方向にのみ放出される。

「相互に重ねるプレートレット数が多くなればなるほど光強度は強くなる。これによりわれわれは、所望の発光方向に強度を失うことなく光を放出できる」と研究チームの博士課程学生、Jakub Jagielski、論文の筆頭著者は説明している。

極めてエネルギー効率のよい青色光
 このプロセスを使い研究チームは、青、緑、黄色、オレンジの光源を作製した。チームによると、スクリーンに必要な赤色成分は、その新技術では、まだ実現できない。

新たに実現した青色光は、生成された光の2/5程度が観察者の目に届く。従来のQLED擬実では、わずか1/5だった。「このことは、われわれの技術が、所定の強度の光を生成するために、半分のエネルギーしか必要でないと言うことである」とShih教授は言う。しかし、他の色では、これまでに達成した効率利得は、もっと小さいので、これを増やすためにさらなる研究を進めている。

従来のLEDsに比べ、新技術は、別の利点がある。新しいスタックされたQLEDsは、シングルステップで簡単に製造できる。また、複数の発光層を相互に重ねることで従来のLEDsの強度を上回ることも可能である。とは言え、これは層ごとに行う必要があるので、製造が一段と複雑になる。
(詳細は、https://ethz.ch)