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グリーンLEDの高輝度化、高効率化に新方法

August, 9, 2016, Peachtree City--イリノイ大学(University of Illinois) Can Bayram准教授は、グリーンLEDの高輝度化、高効率化の新しい方法を開発した。業界標準の半導体成長技術を使い、Bayramはシリコン基板上に、最先端の固体照明用に強力な緑色を生成できる窒化ガリウム(GaN)立法晶を成長させた。
 「この成果は、非常に画期的である。斬新な緑色波長エミッタに道を開くからである。これは、新しい材料、立方晶GaNを利用することで、スケーラブルなCMOSシリコンプラットフォームをベースにした先進的な固体照明を目標にできる」とBayramは説明している。同氏は、IBM T.J.ワトソン研究センタで数年前に最初のこの材料の研究を始めた。「スマートな(応答性があり、適応性がある)可視光を可能にする、固体照明とセンシング(検出)やネットワーキング(通信)の統合は、われわれの光の利用方法に革命を起こそうとしている。より小さなフットプリントで、このようなアプリケーションとしては一段と利用しやすいデバイス価格で、CMOS適合LEDは、高速、高効率、ローパワー、多機能技術ソリューションを容易にする」。
 一般に、GaNは2つの結晶構造、六方晶系または立方晶のうちの1つで形成される。六方晶系GaNは、熱力学的に安定しており、確かに一般的な半導体形態である。しかし、六方晶系GaNは、偏向しがちである。この場合、内部電界が、マイナス電気を帯びた電子とプラスに帯電したホールを分離し、それらの結合を妨げる、したがって光の出力効率が低下する。
 これまで、研究者が立方晶GaNを作製できた唯一の方法は、MBEの利用だった。MBEは、広く使用されているMOCVDと比べると、非常に高価で、結晶成長が遅い。
 研究チームは、Si(100)上にU形状溝を作るためにリソグラフィと等方性エッチングを利用することで立方晶GaNを作製した。この非伝導層は基本的に、六方晶系材料を立方形態に変える境界として役立つ。
 「われわれの立方GaNは、荷電キャリア、つまりホールと電子を分離するような内部電界をもたない。したがって、それらはオーバーラップが可能であり、そうなったとき、電子とホールは素早く結合して光を生成する」とLiu氏は説明している。
 究極的には、研究チームの立方GaN法は、何年もの間LED業界を悩ましたいわゆるドループ現象からLEDを解放すると研究チームは考えている。
「われわれの成果は、ドループで偏向が重要な役割を持つことを示唆している。特に低注入電流密度のとき、電子とホールを相互に遠ざける。偏向フリーであれば、立方晶LEDはアクティブ層が厚くなり、電子とホールのオーバーラップや電流オーバーフローの縮小がなくなる。他のグループが最近立方GaN LEDを作製しているが、それらはシリコンカーバイド(SiC)基板上に作製されている。われわれの立方GaN on Siと比べると、SiCは、非常に高価であり、欠陥レベルが2桁高い」とLiu氏は指摘している。
 パフォーマンスが優れたグリーンLEDは、一般の固体照明LEDに新たな局面を開くものとなる。たとえば、これらのLEDは、色混合アプローチによって白色光を生成することでエネルギーを節約する。その他の先進的なアプリケーションに含まれるものは、蛍光体フリーグリーンLEDによる超並列LED接続、水中通信、光遺伝学や片頭痛治療などのバイオ技術。
 強化版グリーンLEDは、Bayramの立方晶GaNの唯一のアプリケーションではない。これは、いずれ水を消毒するUV LED水銀ランプを置き換える。
(詳細は、www.illinois.edu)