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ソウル半導体、パッケージレスLED “WICOP”の コピー製品に対し特許訴訟を提起

May, 19, 2020, 韓国--– WICOPは2019年に米国で永久販売禁止の勝訴を得て検証された特許技術
– テレビ、携帯電話のバックライト及び照明に続き自動車ヘッドライトに応用範囲を拡大
– WICOP技術をコピーしてCSPであると偽装するモラルに反した企業の存在

世界的なLED (発光ダイオード)専業メーカーのSeoul Semiconductor Co., Ltd. (本社:韓国安山市、代表理事:李貞勲、以下「ソウル半導体」)は、パッケージを必要としないLEDのWICOP (Wafer Level Integrated Chip On PCB)の特許技術を保護するために、米国ニュージャージー州にある自動車部品の販売会社Onyx Enterprise, Inc.を相手取り、米国ニュージャージー州連邦裁判所に特許侵害訴訟を提起した。

訴状の中でソウル半導体はCARiD.comで販売されている車載用LED製品がソウル半導体及びソウルバイオシスが共同開発したWICOP技術関連の特許技術を合計12件侵害したことを明らかにした。

WICOPの特許技術は、リードフレーム、ゴールドワイヤーや基板などの部品を使わず、一般的なプリント基板(PCB)の組み立てラインでパッケージ工程なしでLEDチップを鉛、スズなどのみを利用して一般的な電子部品のように基板に実装するように設計された世界初の先進的な技術である。WICOPは熱伝導率に優れており、軽量小型のレンズを構成するのが容易であり、自動車の日中走行用ライト(DRL, Daytime Running Lights)やヘッドライトにまたたく間に広く採用されている。車載用照明だけではなく、高輝度のテレビや携帯電話用LCDバックライト、スマ-トフォンのカメラ用フラッシュ、高出力の一般照明などに幅広く採用されている。

一方、2019年に米国テキサス州の裁判所がWICOP技術を盗用したPhilipsのテレビ製品に対して永久販売禁止命令を下したことがあり、2019年6月に米国内外のPhilipsテレビ販売会社であるザ・ファクトリー・デポ(The Factory Depot)を相手取り米国カリフォルニア州中部地方裁判所に特許侵害訴訟を提起したことがある。

ソウル半導体の特許チームは、「弊社のWICOP特許技術を盗用して、一般的な半導体製品で使用されるチップスケールパッケージ(CSP, Chip Scale Package)の名称で偽装したモラルに反する企業に対して警告のメッセージを送るために自動車ヘッドライト関連訴訟を提起することになった。困難の多い中小及び中堅企業がグローバル企業と公正に競争して成長するためには、知的財産権を尊重する文化が定着されなければならず、技術の盗用に対して厳罰で臨む政策が実際に施行されることを期待する」と語った。

Onyx Enterprise, Inc.は米国最大手のオンライン自動車部品販売サイトであるCARiD.comを運営しており、ヘッドライト、テールライト、フォグランプなど車載用照明に搭載される多様なLED製品を販売している。

パッケージを必要としないWICOP特許技術とCSP製品の構成比較表
製品構成                              WICOP   CSP
発光ダイオード(LED chip)         ○        ○
蛍光体(Phosphor)                    ○        ○
ボンディング材(Bonding Paste)  X        ○
支持基板電極
(Ceramic Board Electrodes)      X        ○
支持基板(Ceramic Board)          X        ○
はんだ付け(Solder)                  ○        ○