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信頼性の高いセキュリテイを提供する未来のIPS 技術

今日GPS は広く使われているが、建物内の位置をピンポイントで捕捉することはできない。電磁干渉やWi-Fi からの妨害波、壁や鉄製の構造物などが信号をブロックするためGPS 技術の室内利用はほぼ不可能である。しかし、GPS の品質を改善する新しい技術が出てきた。
 「ショッピングモールや空港に多くの買い物客や旅行者が存在することを知るだけでは十分ではない。緊急時には、建物内のどこに人がいるかという正確なリアルタイム情報が生死を分ける。オフィスビルの中にいる人がビル内の銃撃犯の位置を捜査当局者に知らせることができるなど、状況把握のための詳細を通信できるようにすればソリューションの有効性は著しく改善される。通信が双方向なら、人々を安全な通路を通ってシェルターや施設の出口に導くことができ、リスク軽減ができる。現在、建物内にいる人の位置を検知する新しい方法が検討されている。屋内測位システムとしても知られているIPS (IndoorPositioning System) 技術は建物内の人の位置を検出でき、その精度はビルの何階のどの部屋にいるかわかるほど正確である。
 「今日の最も正確な屋内測位システムは、高レベルの精度や機器のサポート範囲、入手しやすさを確保するため、技術を組み合わせて使うことが多い。現在のIPS 技術にはWi-Fi、Bluetooth 4.0、分散アンテナシステム(DAS : distributedantenna system)、室内特有の調光を放射するLED 照明、地表からの磁場エネルギー測定値、モバイル機器内に組み込まれたセンサなどがある」という。Wi-Fi と、BLE (BluetoothLow Energy) ビーコンは信号識別、方向の関連付け、三角測量という3つの異なる方法を使って屋内案内図を作る。この3種の方法は、今やほとんどの人が所有するスマートフォンに頼っている。
未来のIPS 技術は、セキュリティ用途に最適である。銃撃や爆弾テロの際、セキュリティ担当者や警察官は被害者を安全に救出するため、建物内の人の位置を正確に知る必要がある。また火事や洪水、竜巻、嵐などの災害時にも、全員を安全に救出するために、建物内に何人いるか、消防士には情報が必要だ。IPS は、ショッピングモールの来場者が目当ての店を見つけるなど商用にも利用できる技術である。IPS 技術は高精度で柔軟性が高く、低コストである。安全な環境を提供するだけでなく、既存のセキュリティシステムにも簡単にインストールや統合が可能。「ショッピングモールやオフィスビル、学校や政府施設などで起こる事件が増えているので、人々を守り負傷を減らし多くの生命を救うためには、Wi-Fi とビーコンを組み合わせたハイブリッドIPS 技術が最適な方法を提供する」と関係者は話している。
 詳細はSecurityInfoWatchのウェブへ。(2014/12/30)