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Cadence社が、自動車、データセンター、モバイルアプリケーション向けの完全なDRAM検証ソリューションを発表

 カリフォルニア州サンノゼに本拠を置くCadence Design Systems社(以下Cadence社)は、新しいDRAM検証ソリューションを発表した。これにより、データセンター、消費者、モバイル、自動車アプリケーション向けのシステムオンチップ(SoC)設計を顧客が試験し、最適化できる。検証スループットを最大10倍向上させる完全なDRAM検証ソリューションを使用することで、顧客は複数のDDRインターフェイスを備えた高度な設計のIPからSoCレベルの検証を迅速かつ効果的に実行できる。
 最新のSoC設計は、LPDDR5x、DDR5、HBM3、GDDR6などの高度なメモリ技術を活用しており、アプリケーション固有のシステムパフォーマンスの定義およびデータとキャッシュの一貫性の要求を満たすSoCレベルの検証だけでなく、JEDEC規格準拠の確認に、PHYおよびIPレベルでの厳密な検証が必要である。
 Cadence社のシステム検証グループR&D担当の上級役員兼ゼネラルマネージャーであるPaul Cunningham氏は、次のように述べている。「DRAMメモリの検証には、さまざまな条件でタイミング、電力、スループット全ての要求が満たされていることを確認する独自の方法が必要である。業界初の完全なDRAM検証ソリューションにより、IPおよびシステム検証を終わらせる最速経路となるメモリサブシステムアプリケーションだけでなく、お客様がIP設計を効果的に検証し、設計がJEDEC規格の仕様に適合していることを確認できるようにする」。
 この新しいDRAM検証ソリューションは、Cadence PHY VIPやメモリモデルを介したIPレベルの検証を可能にし、Cadence System VIPソリューションを使用したSoCレベルの検証への直接かつシームレスな経路となる。また、すべてにDRAMインターフェイスの統合とコンテンツが組み込まれていて、高速で効率的なメモリサブシステムが可能となり、シミュレーションおよびエミュレーション環境においてSoC検証ができる。
 このソリューションには、Cadence TripleCheck™技術も含まれ、JEDEC、DFI、PHYなどの仕様にリンクされた検証計画、総合的なモデルの遂行度合、インターフェイス仕様への適合を確認する試験一式がユーザーに提供される。
 Micron社バイスプレジデント兼Compute DRAM Products GroupゼネラルマネージャーのMalcolm Humphrey氏は「 Micronは、データセンターからインテリジェントエッジ、まで、そして顧客とモバイルのユーザー体験全体に価値をもたらす次世代メモリ技術の開発をリードすることに全力で取り組んでいる。Cadence社との協力によりエコシステムの開発が加速し、革新的なメモリソリューションが実現するだろう」と話している。
 DRAM検証用の新しい検証ソリューションは、Palladium®Z2エミュレーション、Protium™ X2プロトタイピング、Xcelium ™シミュレーション、Jasper® Formal Verification Platform、Helium™仮想およびハイブリッドスタジオ、vManager™検証管理プラットフォームなどである。Cadenceによる検証フルフローは、1日あたりで投資金額1ドルあたりのバグの最高の検証スループットを提供する。DRAM検証ソリューションと検証フルフローは、同社のIntelligent System Design™戦略をサポートし、優れたSoC設計を可能にする。
 詳細はCadence社のウェブへ。(2022/05/23)
http://www.cadence.com/go/DRAMVerification

【Cadence社について】
Cadence社は、電子システム設計における中心的なリーダーであり、30年以上にわたる計算ソフトウェアの専門知識を持つ。同社は、基盤となるインテリジェントシステム設計戦略を適用して、設計コンセプトを実現するソフトウェア、ハードウェア、IPを提供している。同社の顧客は世界で最も革新的な企業であり、チップからボード、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、消費者、産業、ヘルスケアなど最もダイナミックな市場アプリケーション向けの完全なシステムに至るまで、驚異的な製品を提供している。Fortune誌は、7年連続でCadence 社を最も働きがいのある会社100社の1つに挙げている。
Cadence社:https://www.cadence.com