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EMC規格【特集】「MIL-STD-461」レビュー:RS101「放射磁界感受性」&RS103「放射電界感受性」(3/3)

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3.RS103電界放射感受性
 RS103は周波数範囲2MHz~18GHzをカバーし、調達者が指定するならオプションとして周波数を上へ40GHzまで拡張可能である。受信機に接続されたアンテナの同調周波数は、米国陸軍と空軍の要求には適用できない。恒久的に接続されたアンテナ付きのレシーバは帯域内試験の間、パフォーマンスの低下を示すかもしれないが、帯域内の曝露が終われば性能を回復しなければならない。アンテナの水平偏波および垂直偏波試験は、30MHzを超えると適用できる。
 規格MIL-STD-461GのRS10試験は、試験中に電界を測定するアクティブ・センサ・モニタリングを使用する。試験セットアップ境界線内にEUTを置き、放射アンテナを境界線から1メートル以上離して、図3に示すように構成する。大きな試験品の場合、試験レベルを達成するのに通常必要な放射アンテナの3dBビーム幅内で完全にカバーするため複数のアンテナ位置が必要な場合があることに注意する。電界センサを2メートルのケーブルに沿って中心に配置し、グランドプレーンから少なくとも30cm上にあげた試験セットアップ境界に置くことは、放射ロッドアンテナおよびバイコニカルアンテナには一般的なことである。例えば複数のラックなどEUTが非常に大きい場合を除いて、これらのアンテナのビーム幅は全ての試験境界をカバーする。周波数範囲200MHz~1GHzでは、アンテナ位置はケーブルのEUT端でEUTプラスケーブル35cmを電界曝露しなければならない。1GHz超の場合、EUTプラスケーブル7 cmを含む位置である。電界センサは、いろいろなアンテナ位置でアンテナがカバーするべき場所に設置され、1GHz超の場合、放射電界のセンサを置く場所は、放射電界に曝される場所では高さ30cmより低くなる場合もあることに注意。EUTの端の四隅は、陰影効果が生じることによりセンサ測定エラーが起きる可能性があるので、センサの設置は避ける。
 試験構成とEUT動作が確立されたら、試験レベルに到達するまで放射電界強度を高める。次に、変調(1kHzの矩形波パルス変調)を適用し、3秒またはEUTサイクル時間の長い方の時間、それを保つ。周波数は、規格のセクション4にある周波数ステップの表に基づき段階的に増やす。必須のアンテナ位置と偏波全てが完了するまで、このプロセスを継続する。感受性に疑義が生じた場合は閾値の測定を適用する。
 RS103は、代替法としてリバブレーション・チャンバ手法により達成できる場合がある。ステップ回転法の詳細は、規格では校正に関する詳細に記載されている。この方法には校正された体積などいくつか明白な利点があるが、感受性がEUTに入るポイントの特定には制限がある。IEC 61000-4-21はリバブレーション・チャンバについての優れた参照文献であり、チャンバ校正に使われることもある。市場で入手可能なリバブレーション・チャンバの大多数は、校正プロセスに対してメーカーのサポートがある。EUTが校正プロセスに直接関係しない限り、EUTの負荷としての影響が吸収容積によってシミュレーションされるので、試験することでEUTは過剰試験状態になるかもしれない。

4.まとめ
 RS試験には、大部分の技術試験プログラム、特にRS103が含まれている。試験には非常に時間かかることもあるが、センサからのフィードバックで自動化できる。絶えずEUTパフォーマンスをモニタすることはプロセスの不可欠な部分である。またシミュレーションとモニタリング機器は簡単に影響されやすいので、試験構成設計での分離の考慮が必要であることに注意する。

著者紹介
 Steven G. Ferguson氏はCompliance Direction, LLCのチーフコンサルタントで、試験とデバイス評価の分野で40年以上の経験がある。試験方法の指導にも20年以上のキャリアがあり、EMC、製品安全、環境試験方法が専門。MILSTD-461、MIL-STD-810、MILSTD704/1275/1399、CE Markingについて豊富な知識を持ち、試験所運営や製造会社の設計担当、試験手順の開発、試験実施の経験も生かして規制適合に幅広く対応している。EMCはじめEMI/EMC適合についてオンラインまたは顧客先での数多くのトレーニングコースを担当しており、対象は原子力施設、構造上のシールド、MIL-STD-461試験など幅広い。iNARTE認定EMCエンジニア。
連絡先は下記のとおり。
http://www.compliancedirection.com
stevef@compliancedirection.com

図3.RS103の試験構成