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架空送電線と高電圧機器の無線干渉 ― 測定手順ほか:CISPR TR 18-2: 2017を発行

 表題は「架空送電線と高電圧機器の無線干渉特性-第2部:測定の手法と限度値を決定するための手順」(原題:Radio interference characteristics of overhead power lines and high-voltage equipment – Part 2: Methods of measurement and procedure for determining limits)。CISPR TR 18-2:2017は、上記のTR 18-1と同様、放送受信の干渉原因になりうる架空送電線、関連機器、高電圧機器からの無線ノイズに適用する技術レポートで、取り扱う周波数範囲も同じく0.15 MHz ~3 GHz。送電線や機器からのノイズ電磁界の限度値を確立するための標準的な手順が、標準的な値の例と測定方法と合わせて推奨されている。限度値の条項は低い周波数と中間的な周波数帯域に集中しているが、確立した運用に基づき十分な根拠が存在するのはこの帯域のみである。周波数帯域30 MHz ~ 3 GHzの測定方法および問題となる他の特定の側面が完全に解決されていないため、この周波数帯域で無線受信を保護する限度値の実例はまだない。サイトでの測定およびサービス実績により、300 MHz以上の周波数での電力線からのノイズレベルは通常運用では非常に低いので、テレビ放送受信に対する干渉は起こさないことがわかった。例として挙げた限度値は、一般的にありそうな最も好ましくない条件で、AM放送に使われる無線周波数帯の適切な送信機で認識されるサービスエリア境界での放送受信について妥当なレベルの保護を実現するために計算されている。こういった限度値は、電力線およびその性能を建設後や耐用年数の間に確認する可能性のある国家規格その他の仕様の計画段階においてガイダンスを提供することを意図している。限度値への適合確認に使う測定装置および方法は、それぞれのCISPR 仕様すなわち基本規格シリーズCISPR 16に従う必要がある。
 CISPR TR 18-2の第3版は、IEC発行の技術レポートの最新の構造と内容に対応している。CISPR TR 18-2の第2版は完成度の高い版であり、最新の用語に対応している。ギャップ・タイプの放電が昨今のデジタル無線通信を妨害するノイズ源となる可能性があるので、この第3版では周波数範囲300 MHz ~ 3 GHzのHV架空送電線および変電所からの放射妨害の適切な測定方法についても扱っている。
 詳細はIECのウェブへ。(2017/10/27)