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アナログ・デバイセズ社、リニアテクノロジー社を統合しアナログ技術におけるトップ企業を形成

 アナログ・デバイセズ社とリニアテクノロジー社は、2016年7月27日、アナログ・デバイセズ社が現金および株式取引によりリニアテクノロジー社を買収し、合併後の時価総額約300億米ドル(1)とすることで、両社が最終合意に達したと発表した。買収手続き完了に伴い、アナログ・デバイセズ社はアナログ技術における世界的トップ企業となり、年間売上高を約50億米ドルに拡大することが見込まれる。
 本契約条項に基づき、リニアテクノロジー社の株主は、契約完了時に保有する同社の普通株式1株当たり、46.00米ドルの現金とアナログ・デバイセズ社の普通株式0.2321株を取得。本取引におけるリニアテクノロジー社の評価額は1株当たり約60米ドル(1)に相当し、株式の取得総額は約148億米ドル(1)。
 今回の買収について、アナログ・デバイセズ社の社長兼 CEO のヴィンセント・ロウチ氏は、次のように述べている。「それぞれが、半導体業界のビジネス及びテクノロジーの両面においてきわめて強力な基盤をもつアナログ・デバイセズ社とリニアテクノロジー社が統合します。両社が共に追求してきた卓越した技術開発力に加え、業界をリードする両社の製品ポートフォリオは極めて補完性が高いことから、自然界とデジタル世界をつなぐ局面で顧客企業が直面している最大かつ最も複雑な課題も解消できるようになります。我々はかつてないイノベーションを創造し、産業用機器、オートモーティブ、通信インフラ市場におけるパートナーをサポートします。今回の統合がお客様や従業員、ひいては業界にとって大きな意味を持つことになると大いに期待しています」
 リニアテクノロジー社の取締役会長兼共同創業者のボブ・スワンソン氏は次のように述べている。「リニアテクノロジー社はこれまで35年間に渡って本業を拡大し、大きな成功を収めてきました。しかし、弊社とアナログ・デバイセズ社の統合によって、単にそれぞれの持つ力を合わせた以上の相乗効果を生み出すことができるはずです。そのため、リニアテクノロジー社の取締役会はこの統合を、当社の株主に大きな価値を提供し、統合会社の株式を通じてさらなる株価上昇の機会が得られる魅力的な提案とみなす結論に至りました。アナログ・デバイセズ社は非常に優れた評価を得ている会社です。今回の統合で両社の持つ技術的な強みを相互に補完することによって、当社はアナログおよびパワー半導体市場全体を通じたリーダーとしての地位を一層確実なものとし、株主価値のさらなる強化を図る絶好の機会を得ることができます。リニアテクノロジー社、アナログ・デバイセズ社の両社は統合してテクノロジーをさらに進化させて、世界各国の顧客に革新的なアナログソリューションを提供して行きます。当社はアナログ・デバイセズ社のチームと協力し、組織の円滑な移行に取り組む所存です」

統合の戦略上および財務上の利点
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・高性能アナログ製品業界のグローバールリーダーとしての地位を確立
統合によって、データコンバータ、パワー・マネジメント、アンプ、インターフェース、RFおよびマイクロ波製品に至るまでの高性能アナログ製品業界における世界のリーダー企業となることが見込まれる。
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・補完性の極めて高い事業
両社の製品ポートフォリオは極めて補完性が高く、統合によって業界で最も包括的な高性能アナログ製品を提供することで、アナログ・デバイセズ社はあらゆる事業に対応できるようになり、TAM(Total Addressable Market=実現可能な最大市場規模)を80億米ドルから140億米ドル規模にまで拡大。
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・市場リーダーの地位と顧客へのコミットメントの強化
統合によって、高性能アナログ製品のあらゆる主要カテゴリーにおいてリーダーの地位を確立し、顧客へのコミットメントを共有して最高水準のイノベーション、サービス、サポートの提供に取り組む。
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・魅力的な市場におけるイノベーションを加速し、収益を拡大
両社が持つ優れた技術開発力と事業領域における専門的ノウハウを組み合わせることによって、イノベーションを加速し、産業、オートモーティブ、通信インフラ市場における収益機会を拡大。

・業界最高水準の強固な財務モデル
イノベーションと卓越した技術力が生み出す高い価値は、業界最高水準の財務モデルや非GAAPベースの収益率、フリーキャッシュフローに反映されている。

・統合効果
統合によって、アナログ・デバイセズ社の非GAAPベースの1株あたり利益(EPS)およびフリーキャッシュフローに直ちにプラス効果が見込まれます。アナログ・デバイセズ社では統合完了後18カ月以内に、直近の実績ベースで年間150百万
米ドルのコスト削減効果を達成する見通し。

 アナログ・デバイセズ社のロウチCEOはさらに、「リニアテクノロジー社がこれまで作り上げてきた事業基盤に対して最大の敬意と称賛の念を抱いています。今回の両社の統合は間違いなく、業界の信頼すべきリーダーを作り上げるものであり、全ての利害関係者に対して極めて大きな価値を生み出すことができるものと確信しています」と述べている。

 統合完了後はアナログ・デバイセズ社の社長兼CEOであるロウチ氏が引き続き新会社の社長兼CEOに就任し、同社現シニアヴァイスバイスプレジデント兼最高財務責任者(CFO)であるデイビッド・ジンスナー氏も引き続き同職に留まる。アナログ・デバイセズ社とリニアテクノロジー社の統合後の新会社では、双方のあらゆる部門の責任者からなる強力な経営体制が構築される予定。統合後、リニアテクノロジー社のブランドはアナログ・デバイセズ社のパワー・マネジメント製品のブランドとして存続する。統合後の新会社は引き続きアナログ・デバイセズを社名として使用し、NASDAQにおいてもADI銘柄での取引を継続する。

 詳細はアナログ・デバイセズ(英語)のウェブへ。(2016/7/27)

(1) Bloombergによる2016年7月21日付けアナログ・デバイセズの5日間出来高加重平均株価60.3215米ドルに基づく試算