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テクトロニクス社、16GT/sデータ・レートを含む、PCI Express 4.0のテスト・ソリューションを発表

トランスミッタ/レシーバの新しい自動テスト・ツールにより、PCI Express 4.0、3.0デザインの市場投入までの時間を短縮。テクトロニクス社は、7月4日、PCI Express(PCIe)のためのテスト・ソリューションの強化を発表した。このソリューションは16GT/sデータ・レートのサポートを含んでおり、PCIe 4.0アーキテクチャをサポートする、業界初のトランスミッタ/レシーバの自動テスト・ソリューションである。
 PCIe 4.0のデータ・レートが高速になるにつれ、チャンネル損失の増加、厳しくなるトータル・ジッタ・バジェット、より複雑になるリンク・トレーニング、タイミング要件など、新しいテスト問題が発生している。設計マージンの減少に伴い、デバッグ、設計検証、インターオペラビリティ(相互運用性)テストでは、正確で規格特有の測定ソリューションが重要になる。最新のPCIe 4.0、3.0テスト・ソリューションとDPO70000SXシリーズ・ハイ・パフォーマンス・オシロスコープを組み合せることで、これらすべての要求に対応できるという。
 テクトロニクス社、パフォーマンス・オシロスコープ、ジェネラル・マネージャのブライアン・ライク(Brian Reich)は、次のように述べている。「PCIeなどの重要な業界仕様の進化に伴い、同社のテスト/計測ツールも同時に進化しなければならない。DPO70000SXシリーズ・オシロスコープと、PCIeソリューションの強化により、優れた測定確度とスケーラビリティが得られるため、最新のPCIe仕様に対するデバッグとコンプライアンス検証が可能になり、コンプライアンス・テストに要する時間を大幅に短縮し、作業生産性が向上する」

<PCIe 4.0のトランスミッタ・テスト>
テクトロニクス社のDPO/DPS70000SXシリーズ、DPO/MSO70000DXシリーズ・ハイ・パフォーマンス・オシロスコープのOpt. PCE4は、PCI Expressの2.5、5.0、8.0、16.0GT/sのすべての4つの世代で使用される、100MHzリファレンス・クロックと、ピコ秒ジッタ要求を含む、新しいPCIe 4.0のベース仕様の新しいトランスミッタ(Tx)測定が行える。PCI Express 3.0用ソリューションであるOpt. PCE3でも、同じ機能強化が実施される。

<PCIe 4.0のレシーバ・テスト>
今回の発表により、テクトロニクス社はPCIe 4.0およびPCIe 3.1aベース仕様のレシーバ・テストをサポートする。このソリューションは、同社のBERTScopeビット・エラー・レート・テスタとハイ・パフォーマンス・リアルタイム・オシロスコープを自動化してストレス・アイの開口を校正し、Rxの適合性とジッタ・トレランスをテストする。業界標準の方法に従ったこのソリューションは、同社のパートナー企業であるGranite River Labs社との協力で開発されており、シンプルなユーザ・インタフェースによって複雑なPCIeテストを自動化し、計測器の校正時間を大幅に短縮。さらに、このソリューションはユーザ定義のレンジを使用した、さまざまなタイミング/電圧パラメータのループ・スルーをサポートしており、二次元のプロットが作成できる。

<業界による検証>
PCI Expressのベース仕様、Revision 4.0、Version 0.7は非常に複雑であり、仕様書は1,000ページを超えるため、テスト・エンジニアが迅速に対応することは困難だ。テクトロニクス社は、PCI-SIGなどの規格団体と協同しており、業界規格仕様のテスト要件をわかりやすく、簡潔な特性評価レポートにする、操作性に優れたターンキー・テスト・ソリューションとして実現している。

<第4世代の性能要件に対応したDPO70000SXシリーズ>
急速に成長しているクラウド・コンピューティング、ストレージ・セグメントの新世代規格に対応するため、エンジニアリング・チームはPCIe 4.0などの規格の高速データ・レートのシグナリングにおいて再現性が高く、非常に正確な測定が行える測定プラットフォームを必要としている。テクトロニクス社の最新のオシロスコープ・ファミリであるDPO70000SXシリーズは、それまでの世代のオシロスコープと比較して、第4世代のシリアル・バスにおいて以下のような数多くの特長がある。

・広帯域、低ノイズのATIチャンネルによる、優れた信号忠実度と広い測定マージン
・柔軟性に富んだアーキテクチャにより、カストマの現場において、最小のダウンタイムで
 23GHzから70GHzへの機能拡張が可能
・業界トップクラスの25GHzエッジ・トリガ帯域により、高速信号が容易に取込み可能
・高確度の時間軸により、最新の高速規格における非常に正確なタイミング/ジッタ測定が可能
・設計の特性評価、問題点のデバッグのための高確度のタイミング測定を可能にする
 統合カウンタ/タイマ

<製品価格>
DPO/MSO70000シリーズ・オシロスコープ共通オプション
Opt. PCE3 PCI Express Gen1/2/3 コンプライアンス・デバッグ・ソフトウェア
                            ・・・91万7千円(税別)
Opt. PCE4 PCI Express Gen1/2/3/4 コンプライアンス・デバッグ・ソフトウェア
                            ・・・157万円(税別)

<PCI-SIGについて>
PCI-SIGは、オープン業界規格としてのPCI仕様を所有、管理する業界団体。団体メンバのニーズにしたがった業界規格のI/O(入出力)仕様を策定している。現在、PCI-SIGは業界をリードするメンバ企業の約800社で構成されている。PCI-SIGへの加入、理事会のリストについては、ウェブ・サイト(www.pcisig.com)を参照。

詳細情報は、テクトロニクス社のウェブサイトを参照。(2016/07/04)