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Fraunhofer IWS、砂を使わず、光でサンドブラスト

October, 5, 2022, Dresden--サンドブラスティングは過去のものである。レーザビームが、従来技術よりも正確に、優れた費用対効果、環境フレンドリーな方法で、表面をきれいに、構造化できる。
 Fraunhofer材料とビーム技術研究所IWSは、この目的で技術“LIGHTblast”を開発した。同技術は現在、半導体製造、自動車サプライや他の産業に移転されつつある。

Fraunhofer IWSの研究者、Dr Patrick Herwigは、「これは光のスピードのサンドブラスティングのようである」と説明している。同氏は、研究所のLaser Cutting Group長。「われわれは、産業が装置やコンポーネントを以前よりも、速く、環境フレンドリーに、きれいに加工できるようにしている。製造チェーン全体を考慮し、われわれのプロセスは、連続製造で使うと、古典的なサンドブラスティングよりも安価である。レーザ技術は、企業にとって良い結果をもたらすとわれわれは確信している。。
 Fraunhofer IWSは現在、様々なエンドユーザとともに最初のアプリケーションサンプルを用意しているところである。レーザシステムは、いずれ、段階的にサンドブラスティングシステムに取って代わることになる。

高エネルギーの光が砂粒に取って代わる
潜在市場は、かなり大きい。実際、古典的なサンドブラスティングシステムを使用する産業の数が増加している。幅広い範囲のコンポーネントから汚染物質を除去するだけでなく、コーティング前に所定の方法で粗面化する。時々、砂粒が処理済み面に埋め込まれている、これは強力クリーニング後でも欠陥として残る。従来のプロセスでは、圧縮空気ジェットが、ターゲット表面に高速で砂を加速する。鋭利な砂粒が表面の一部を引き裂くので、鋭いエッジが磨耗し、結果としての粉塵と混合する。使用する毎にブラスト媒体は、ますます品質が低下し、確実にグラインドが丸くなる。そのプロセス結果は、連続的に劣化する。最終的に、混合物は、特別廃棄物として処分されなければならない。それは、環境を汚染し、付加コストとなる。

Fraunhofer IWSは、砂粒の代わりに高エネルギー光を使い、きれいに粗面化する。この目的で研究チームは、“LIGHTblast”を開発した。これは、従来のプロセスと比べて、著しく高速にタスクをきれいに、構造化する。また、連続製造では運用コストが下がる。プロセスは、品質、プロセス制御、労働安全性にプラスの効果がでるように自動化も容易である。加えて、システムは、サンドブラスティングシステムよりも遙かに正確に機能する。径50µm以下のレーザビームが、数㎝幅の粒子ストリームに取って代わる。「ある意味で、われわれは、棒の代わりにメスで処理している」とPatrick Herwingは、比喩的に説明している。表面の粗さ仕上げは、その新方法で微調整も可能である。

環境負荷軽減
コストと品質の利点は別にして、新しい製造プロセスの環境バランスが、多くの産業ユーザにとってますます重要になっている。したがって、多くの前および後加工の手順が除去される。光ベースの加工は、クリーニングにいかなる化学物質も必要としない。レーザブラストシステムは、所望の面だけを正確に加工するので、砂もマスキングのための材料も消費しない。したがって危険な廃棄物や粘着テープの廃棄もない。レーザビームは、表面の一部を蒸発させ、広がる蒸気か固体成分を運び去り、所定の粗さも達成される。

(詳細は、https://www.iws.fraunhofer.de)