Science/Research 詳細

東北大学、接着剤無しでCFRP/チタン合金の高強度接合を実現

May, 30, 2022, 仙台--航空宇宙産業では、生産規模の適性からアディティブマニュファクチャリング(AM)に注目が集まっている。特に、構造部材軽量化を実現しAMの付加価値を高めるには、3D積層造形技術を利用した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と金属とのマルチマテリアル化3が重要な課題となる。

東北大学大学院工学研究科の白須圭一准教授、水谷正義准教授、同流体科学研究所の大林茂教授らと株式会社ジャムコの共同研究グループは、金属3Dプリンタを用いてCFRPへ効率的にせん断荷重を伝達できるような円柱状の突起を有する表面構造を造形し、これにCFRPを熱プレスして直接接合することで、現行の接着剤接合と同等以上のせん断接着強度を発現させることに成功した。これにより、組み合わせるCFRPの特性等の諸条件を考慮した金属表面構造の最適化を図ることで、将来的に直接接合の実用化への展開が期待される。

この研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラム「航空分野における現行接合以上の信頼性を達成するマルチマテリアル3D接合・最適成形技術の開発」の成果であり、2022年5月10日に学術専門誌「International Journal of Adhesion and Adhesives」に掲載された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)