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EPFL、産業用ロボットをよりスマートに多用途にするプログラム

January, 29, 2021, Lausanne--EPFLのスピンオフAicaは、産業用ロボットを簡単にプログラムし、適応能力を一層高めるAIベースソフトウエアを開発した。ソフトウエアは、モジュラーフォーマットで設計されている。オペレータが、ニーズを元にしてカスタマイズアプリケーションを構築できるようにするためである。Aicaの進歩は、実装コストを削減しながら、ロボットが対処できるタスクの範囲を広げる。

産業用ロボットは、かなりの精度と敏捷性を必要とするタスクに幅広く用いられている。高精度部品のアセンブリ、繰り返し変化するタスクの実行(カスタマイズされた補綴の製造)、微小コンポーネント(時計の水晶)の研磨など。ロボットは、対象物のサイズ、正確な形状、傷ついたり壊れたりする前に耐えられる最大力などを計算に入れることができなければならない。確実に動作するようにこれらのロボットをプログラムするには、数週間かかる。また、これはロボットの実装総コストの2/3を占める。こうしたコストを下げ、産業用ロボットをより多目的にするために、EPFLのスピンオフAicaは、モジュラーソフトウエアアプリケーションを開発した。オペレータは、広範なプログラムライブラリーから必要とするタスクのためのプログラムを正確に選ぶことができる。

より無理のない価格の自動化
 そのソフトウエアは、予めプログラムされたタスクで構成されている。これは、オペレータが自らの必要性に基づいて選択できるタスクである。ロボットは、新しいバッチに取り組むときのサイズの変更などに適応する。ロボットは自動的にその動きを調整し、新しいパラメタを把握する。「産業タスクの推定80%は、自動化されていない。それらが余りに複雑であり、ロボットを設定することがあまりに高価になるからだ」とAicaの共同創始者、Lukas Huberは指摘する。同氏によると、そのソフトウエアは、オートメーションを普及させる方法、新しいタスクの自動化と実行を可能にするために人工知能を活用する方法である。Aicaのソフトウエアは、進化もする。あるタスクが、ロボットにとって複雑になりすぎると、そのプログラムは自動的にデータベースからソリューションを探す。

Aicaのシステムは、協働ロボットを念頭に置いて設計されている。これらのロボットは、環境や工場オペレータとの相互作用を検出できる。ソフトウエアが、もっと柔軟になるように、オペレータの動きに対する応答性を改善するように指示する。より効果的に協働できるようにするためである。また、そのシステムは、統合された力センサとトルクセンサを装備している、これは稼働環境における変化を検知するためである。「われわれのシステムでは、ロボットは、単純な物理的相互作用に基づいて様々なタスクを即座に切り替えることができる」とAicaの別の創始者、Baptiste Buschは話している。オペレータがロボットに新しいタスクを示すと、ロボットは、似た条件下では、自力でできるようになる。プログラムされたロボットは、他のロボットと協働して、大きな部品を取り扱ったり、複数の「手」を必要とする他のタスクを実行できる。

Aicaの人工知能モジュールとフレキシブル制御アルゴリズムは、EPFLの研究所(Learning Algorithms and Systems Laboratory)で数年の研究を通して開発された。

(詳細は、https://actu.epfl.ch/)