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精密金型加工に対応する複数照射式レーザコーティング技術を開発

October, 31, 2018, 東京--NEDOが管理法人を務める内閣府事業「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)革新的設計生産技術」において、大阪大学と石川県工業試験場、(株)村谷機械製作所は、直噴型マルチビーム式によるレーザコーティング法を開発し、スマートフォン部品向け金型やマイクロドリルなど高精度な加工に対応できるレーザコーティング技術を確立した。

この技術では、集光径の小さいレーザ光の複数照射などにより、歪みの小さいコーティングや薄肉な皮膜積層、球面などさまざまな形状へのコーティングを実現する。

村谷機械製作所は、この成果を活用して開発した直噴型マルチビーム式レーザコーティング装置を同社のレーザ加工機「ALPION(アルピオン)」シリーズに加え、2019年4月から販売を開始する予定。

開発装置の特徴
今回開発した装置は、ヘッド中心から原料粉末を噴射供給し、集光径の小さな複数のレーザ光を照射して溶融凝固させることで薄くて微細な皮膜を狙った位置に正確に形成できることが特徴。
また、噴射される粉末材料を直接加熱することで母材表面の溶融を必要最小限とし、希釈が少なく歪みの小さなコーティングが可能。これに直交3軸に傾斜軸および回転軸を加えた5軸制御の自動ステージを組み合わせることによって、曲面形状への皮膜形成も可能となる。

【1】高精度/高品質のレーザコーティングの実現
従来のレーザコーティング装置に比べてレーザ光の集光径が小さく、また、噴射される原料粉末を直接加熱することで母材への熱負荷が小さくなる。よって、低歪みのコーティングや薄肉な皮膜積層、さらにはドリルの刃先など微細部へのレーザコーティングが可能になった。

【2】5軸制御のレーザコーティング装置の実現
直交3軸に傾斜軸および回転軸を加えた5軸制御の自動ステージを組み合わせることによって、加工対象物(ワーク)を自在に傾けながら角部や隅部をコーティングすることが可能になった。さらに、ジェービーエムの技術協力を受けて、共同開発したCAMシステムを用いて装置を動作させることで、球面へのコーティングなど、さまざまな形状の製品に対して対応することが可能になった。

【3】自動制御する粉末供給機を備えたレーザコーティング装置の実現
マルチビーム式レーザコーティング装置を活用するには、微少量の原料粉末を安定して供給する必要がある。専用の粉末供給機を開発した。これには粉末供給量をモニタリングする機能が付加されており、その値が設定通りになるようにバルブの開閉を自動制御することで、粉末供給量の安定性を向上させることができる。
(詳細は、http://www.nedo.go.jp)