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超解像度生体イメージング顕微鏡

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June, 24, 2015, Wilsonville--顕微イメージングは、従来回折限界の制約を受けていた。これにより可視光では、空間分解能が数百ナノメートル(nm)に制限される。この限界を超えることは、医学、材料科学などいくつかの分野で大きなメリットがある。
 研究チームは、光学イメージングの解像度を2桁、3桁も向上させるシンプルで汎用的な超解像度のイメージング法を開発した。このアプローチでは、透明なエラストマ層内の高屈折率単層マイクロスフィア(微小球)で構成された顕微鏡カバーガラスを使用している。
 チタン酸バリウムガラス(BTG)マイクロスフィア(屈折率n~1.9-2.1)をポリジメチルロキサン(PDM)層内にスピンコートして複数種の顕微鏡カバーガラスを作製した。厚さはスピン速度と継続時間で決まる。そのスライドを試料の上に置くと、顕微鏡により拡大虚像が形成され、対物レンズで捉えられる。この原理を実証するために研究チームは、市販のBluRayディスク(BD)をイメージング対象として利用した。BDの構造は、200nm幅のストライプで構成されており、100nm幅のギャップ部で分離されている。
 通常の顕微鏡はBDの構造を解像する能力はない。しかし、新開発のカバーガラスの1つを用いると解像することができる。マイクロスフィアアシストイメージングによる空間分解能改善は、システムの有効NAおよびマイクロスフィアの特殊集光特性、つまりフォトニックナノジェット効果を強化することによって行う。このマイクロスフィア内蔵フィルムの集光特性は、ナノスケールパタニング、分光学、フォトボルティック(PV)など、他の分野のアプリケーションもある。
 このマイクロスフィアアシスト技術の利用可能性を、生物学的構造、例えば細胞や組織などのイメージングで調べた。放射線治療に対する患者の反応予知の制限因子は、イオン化放射に対するガン細胞の感度である。この感度は、DNAの二重鎖切断(DSB)修復の観察によって評価できる。これは、非常に特殊な高感度分子マーカー、リン酸ヒストンY-H2AXによって検出できる。細胞が放射線を受け、細胞核内に誘発されるY-H2AX中心の数を放射線照射後の時間の関数として計測する。中心の消滅はDSBs修復に対応している。先頃、Y-H2AX中心の品質、つまりサイズとクラスタリングが細胞生存確率に関連づけられることが分かった。とは言え、標準的な顕微鏡は、中心の品質を評価するだけの解像度がない。マイクロスフィアアシストイメージングは、この限界を克服し、増強された画像を得るために使用することができる。
(詳細は、www.spie.org)