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シリコーンマイクロスフィア作製法を開発

Ken Suslick courtesy

June, 4, 2015, Champaign--イリノイ大学の化学者が微小なシリコーンマイクロスフィアを作製する新しい方法を開発した。これは、家庭の加湿器と同じ技術。これにより、医療イメージングや薬剤の標的送達にハイテクの次の波が可能になる。
 赤血球程度のマイクロスフィアは、標的にした組織に薬剤を送達するための手段、医療イメージング用の造影剤、産業応用として有望視されている。マイクロスフィア材料として重要な候補はシリコーン。これは、バスタブコーキングから台所用品、医療インプラントまであらゆるものに使われているゴム状のプラスチックであるが、これまで研究者はシリコーンをマイクロスフィアにする方法を見つけられなかった。
 シリコーンの多様性は、その固有の特性に由来する。生体適合性、耐熱性、化学的安定性、防水性、環境に優しいなど。とは言え、これらの同じ特性が、シリコーンをマイクロスフィアにしようとする研究者を悩ませてきた。従来のマイクロスフィア作製法は、別の溶液の中に微小な材料の溶滴を懸垂するというもので、これはシリコーンではうまくいかない。
 「シリコーンでは、小さな溶滴の安定した乳液を造ることは非常に難しい。たとえ安定した乳液ができたとしても、固体の球に重合させるのに必要な加熱をする際にもっと大きな難題に直面する。加熱するとすぐに、小さなシリコーンの溶滴出発材料は、他の溶滴と結合し、大きな球になるだけである」と同大学の化学教授、Kenneth Suslick氏は説明する。
 イリノイの研究チームは、超音速噴霧熱分解という技術を利用する。これは家庭の加湿器にある技術を利用したものであり、超微細液滴ミスト(霧)を作る技術。Suslickのグループは多様な材料向けにこの技術を開発し、イリノイ大学化学、Catherine Murphy教授と協力して、シリコーンの課題に取り組んだ。研究チームは、加熱した管を通してシリコーンの全ての含有物を含むミストを送出する。これによりミストはシリコーンの微小な球に凝固する。液滴はミスト内ですべて分離しているので、乳液内でのように結合することはない。したがって結果として得られたマイクロスフィアは、これまでに報告されたものよりも100倍程度小さくなる。
 研究チームは、多様なアプリケーション向けに様々な特性のシリコーンマイクロスフィアを造った。着色球体、蛍光球体、磁性球など。球(スフィア)は、生体不活性、つまり体内の化学物質と反応しないので、薬剤の持続放出のための優れた容器にゆると研究チームは考えている。また、研究チームは、固体球、中空球、磁性球の潜在的なアプリケーションも探求している。