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ワイヤレスパワーで盲目の人が見えるようになる

February, 14, 2023, Eindhoven--世界中で4300万以上の人々が盲目である。過去30年、その数は、50%程度増加した。ほとんどの目の見えない人は、正常な視覚で生まれ、医学的な原因か事故で時間経過とともに視力を失った。
多くの場合、脳の視覚野がまだ電気信号を解釈できる。しかし、眼あるいは眼と脳の間の接続が損傷を受けているか、失われている。インプラントで適切な電気信号を供給することである程度の視覚を回復できる。Ph.D研究者、Tom van Nunenは、安全かつ確実にインプラントと接続するワイヤレスエネルギー移転システムを設計し、プロトタイプを開発した。

光情報は眼で拾われ、神経電気信号で脳の視覚野に送られる。この入力の解釈が、人々が見ると感知していることである。盲目の人々でも電気信号で視覚野を刺激すると、ある程度の視覚的刺激を感知できることは知られている。

カメラなどの外部画像源と視覚野に埋め込まれた電極間の接続を確立することで盲目の人が、これらの視覚刺激で視覚の祖型を経験できる。

Van Nunenの研究の一部であるNESTORプロジェクトは、そのような人工視覚の実現を目指している。チームが現在開発している脳インプラントは、ワイヤレスデータ転送システムを含み、取り分け電極とワイヤレスエネルギー転送を制御する。

ワイヤレス接続
Ph.D研究で、Van Nunenは、入力デバイスとインプラントとのワイヤレス接続の開発を重視した。ワイヤレス接続は、インプラントユーザにとって遙かに快適、柔軟、安全であるが、問題は、十分に安定的で強力であるか、にある。

微小化は、医療インプラントの世界では継続的な開発である。これは既存アプリケーションを小さくする(~1 mm3)するだけではない。この点は、快適性に関して、装着者に様々なメリットがある。また、身体にインプラントを挿入する医学的複雑性の軽減ともなる。とは言え、これはインプラントが、バッテリなど固有の電源を実装するには小さすぎることになる。したがって、インプラントは、ワイヤレス接続で電力を供給する必要がある。

サイズが数㎜のインプラントの場合、体内数㎝の深さに設置されると、以前の研究は、ワイヤレスエネルギー転送はGHz周波数が適していることを示唆している。この動作域は、ミッドフィールドワイヤレスパワー転送(MF-WPT)と言われ、パワーが、誘導よりも伝搬波を使って転送される。

適切なパワー移転をモデリング
とは言え、インプラントを小型化するためのワイヤレスパワー移転で予想される効率は、予想外に低い。代替アプローチを使うことで、Van Nunenは所望の結果を得るには、効率の最大化よりも受信パワーの最大化が、優れたアプローチであることを発見した。利用するベストの周波数を決めるために同氏は、2つの分析モデルを使用して、電磁場を計算した。

論文では同氏は、人体で電磁放射の比吸収率(SAR-rate)、受信パワー、計算のためにモデルの拡張法を説明している。

これらのモデルで計算されたデータを使って、SAR安全性限界を超えないように最大転送パワーを決めることができる。最高受信パワーと最高転送効率の両方が、以前の研究の提案よりも遙かに低い周波数10kHzであることが明らかになった。

バイオメディカルファントム
研究成果を評価するために研究者は、いわゆるバイオメディカルファントム(模型)を利用した。これは、実際の人組織の特殊な特性を模擬している。その誘電特性が正しい範囲にあり、長期間一定であるような材料の作製に注意を払った。

Van Nunenは、水、砂糖や塩など直ぐに利用でき、簡単なキッチンセットアップで作れる材料をベースにして複数の脳ファントムレシピを示している。さらに、同氏が提供するファントムの特性は、少なくとも10日ほぼ一定であるので、このテストには最適である。

自作センサ
同氏が開発、説明したファントムは、均質材料である。ところが、人体は均質ではない。場合によって、人体内インプラントの位置をよりよく模擬するために、その混合物に他の詳細部品を加える必要がある。われわれの頭蓋や歯は、例えば、外部デバイスとインプラントの間の電磁波伝播の仕方に影響を及ぼすかも知れない。

一つのアプローチは、ファントムに、3Dプリンティング技術で造った人工骨を加えること。安価な自作センサを使ってVan Nunenは、複数の市販入手可能3Dプリンティングフィラメントの誘電特性を計測できた。

これら材料の中には、特定の周波数帯域で骨に近い誘電特性のものがあり、したがって、バイオメディカル実験に使用できる。

(詳細は、https://www.tue.nl/)