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ヘモグロビンをモニタするウエアラブルパッチ

January, 6, 2023, San Diego--UC San Diegoの学際的研究チームは、生体新組織でヘモグロビンを計測できるソフトなウエアラブルパッチを開発した(Nat. Commun., doi: 10.1038/s41467-022-35455-3).。

デバイスは、郵便切手程度のサイズで、光音響イメージングを使って、皮下のヘモグロビンを3Dマッピングする。その技術は、医者や研究者が、高い空間分解能でヘモグロビンを連続的、リアルタイム、非侵襲的にモニタリングするもう1つのツールとなる。

深部組織センシング
ソフトなウエアラブルエレクトロニクスに取り組んでいる間にSheng Xuは、既存システムに大きな欠点があることに気づいた。それらは、表面組織でのみ信号をセンシングできる、皮膚の表面または皮膚の直ぐ下のいずれかである。結果として、同氏は特に深組織センシングのために皮膚のような機械的特性をもつデバイス構築を目標にした。

「深組織や中心器官には多くの興味深く、重要な活動がある。そのような深い信号は、病気予測や診断に強く、素早く関わると考えられている」とUCSDナノエンジニアリング准教授、Xuは説明している。

研究チームは、光音響イメージングに基づいたソフトなウエアラブルパッチを設計、作製した。基本的にデバイスは、240の超音波トランスデューサアレイと24のハイパワー850nm VCSELデバイスを弾性ポリマ基板に集積している。パッチは、わずか2.0×1.6㎝、1.2㎜厚。

VCSELダイオードは、生体組織深くに浸透する光パルスを放出、そこでヘモグロビン分子がエネルギーの一部を吸収し、それを熱に変換する。過渡的熱電膨張が音響波を生成し、これは圧電変換器(トランスデューサ)によって受信される。トランスデューサ信号は、ソフトウエアにビーム発振され、ウエイブエミッタの空間的マッピングを再構築、つまりヘモグロビン分子のマッピングである。

安全で連続的なベッドサイドモニタ
 研究チームは、先ず、そのソフト光音響パッチの光学的、熱的、音響特性評価を実施し、続いて、手、足、股。前腕で生体内評価実験を行った。後者のテストでは、デバイスは、ヘモグロビンの3D画像取得に成功した。カフ閉塞前、中および後、様々な身体の位置の静脈構造を明確に表示した。生体内テストにおける深さ浸透は、1.1㎝以上で計測された。

研究チームは、同技術は最終的に、命に関わる状態の患者で長期のベッドサイドモニタとしての用途があると見ている。例えば、悪性腫瘍、臓器機能不全、脳または内臓出血、他の症状。

「他の方法、磁気共鳴イメージング(MRI)あるいはX線などは、連続モニタリングに適していない。超音波は、POCの優れた候補であり、利用しやすいが、それはヘモグロビンと他の成分との区別ができない」と、論文の著者、UCSDポスドク、Xiaoxiang Gaoは、コメントしている。さらに同氏は、チームが開発したパッチは、低フォームファクタであり、長期モニタリングに適しており、安全である」と付け加えた。
(詳細は、https://www.optica-opn.org)