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合成ペプチドが有害な凝集形成を抑制

December, 5, 2022, Munich--アルツハイマー病では、脳細胞の変性が、アミロイドプラークとして知られている毒性タンパク質の凝集と沈着の形成に関連している。ミュンヒェン工科大学(TUM)主導の研究チームは、“mini-proteins”,いわゆるペプチドを開発した。これは、アミロイドを形成するタンパク質との結合が可能で、その細胞毒性アミロイドへの凝集を阻止できる。

多くの細胞、神経変性疾患は、細胞死の原因となる毒性タンパク質凝集の形成に関連している。これらの疾患の際立つ代表が、アルツハイマー病とType2糖尿病であり、それぞれ世界中で5000万と4億人の患者が存在する。重要な点は、アルツハイマー病と糖尿病患者の数が、人口老齢化にともない、常に増加していることである。その2つの疾患は、これまでのところ治療不能のままである。したがって、新しい治療アプローチが焦眉の急である。

有害なアミロイド凝集形成を標的にすることは有望なアプローチである。TUMのペプチド生化学教授、Aphrodite Kapurniotuをリーダーとするチームは、今回、新しい合成ペプチドを開発した。これは、実験モデルで、両方の病気に関連した毒性アミロイド凝集をブロックできる。

アルツハイマー病とType2糖尿病の間の分子相互作用
以前の研究は、2つの病気のアミロイド形成タンパク質間のある「交差相互作用」が、アミロイド凝集プロセスを劇的に加速することを示していた。この研究成果は、2つの病気のうちの一方に罹っている人々が、他方の病気のリスクが増加する理由を説明する可能性がある。

チームは、両方の病気でアミロイド凝集の効果的阻害剤として機能する合成ペプチドを開発した。「設計されたペプチドは、実際、2つの病気に関連したアミロイド形成タンパク質と結びつき、細胞毒性アミロイド凝集とアミロイド交差加速相互作用の両方を効果的に抑制できる。驚くべきことは、設計されたペプチドとアミロイド形成タンパク質との相互作用で形成された混合凝集が有害アミロイド凝集と非常に似ているように見えるが、それらは細胞毒性効果が全くない。さらに、アミロイド類似の混合凝集は、アミロイド凝集よりも食作用性免疫細胞によって効率的に取り込まれる」(Kapurniotu教授)。

将来の研究は、医療アプリケーションに道を開く
増え続ける証拠は、アルツハイマー病とType2糖尿病が、相互に関連していることを示唆している。Kapurniotu教授は、設計されたペプチドが、両方の病気の治療薬の開発に貴重な候補になると見ている。

特許は、TUMによってすでに申請されている。さらなる研究は、実験モデルからの成果をクリニックへ移転するために計画されている。
(詳細は、https://www.tum.de/)