Science/Research 詳細

整形外科用デバイス抗菌にレーザ表面改質プロセス

October, 27, 2022, West Lafayette--パデュー大学のエンジニアが開発した特許申請中のプロセスは、Langmuir: The ACS Journal of Fundamental Interface Scienceに発表された論文によると、600万を超える整形外科、外傷手術を受ける人々のQoL(生活の質)を改善する。

ロッド、プレート、ネジや他のデバイスが、人工関節置換術、脊椎固定術などの処置中に患者に埋め込まれる際、感染は主要な合併症となる。ほとんどの感染が起こるのは、デバイスのチタンインプラント面が抗菌性および骨誘導性が低いためである。骨誘導性とは、骨形成を促進するプロセス。

パデュー大学、材料工学准教授、Rahim Rahimiは、チタン整形外科用デバイスのインプラント面に銀を固定するプロセスを開発した。これは、抗菌性および細胞接着を改善する。そのプロセスは、現在利用されている多くの金属インプラント面に実装可能である。

レーザ固定銀を持つレーザナノテクスチャチタン面の抗菌有効性は、グラム陽性(黄色ブドウ球菌)とクラム陰性(大腸菌)の両方でテストされた。表面は、6日以上、効率的で、安定した抗菌特性が観察された。レーザ・ナノテクスチャチタン表面も、手つかずのチタンインプラント面と比べて、2.5倍の骨結合特性を示した。

「二段階のプロセスの最初は、チタンインプラント面に階層的なナノ構造を作り、、骨細胞の接着を強化すること。第2段階では、チタンインプラント面に抗菌特性の銀を固定する」(Rahimi)。

「その技術によりわれわれは、抗菌性銀化合物をチタンインプラント面に固定するとともに、接着の鉱質形成促進する独自の表面ナノテクスチャリングを行う。
 「これら固有の特性がインプラントの予後を改善する。これには、感染リスク、デバイス故障のような合併症の減少が含まれる」。

Rahimiによると、インプラントされた整形外科用デバイスが原因の従来の感染対処法は、抗生物質あるいは、それ自体が合併症に関連している他の表面改質を利用することがよくある。

「長期抗菌特性は、これら従来の薬剤コーティングでは可能ではない。コーティングした薬剤の大部分が、短時間で放出されるからである。また、インプラント関連感染で見つかる細菌が混ざっていることがよくある。広範囲をカバーする抗菌剤を選択することが極めて重要である」と同氏は話している。
Rahimiによると、整形外科用デバイスにテクスチャライズし、銀を固定するレーザプロセスの次のステップは、それを標準的整形外科用フィクスチャで実施し、FDAの認定を得るようにその技術を検証すること。また、それを整形外科分野で活動する企業にライセンス供与することである。
(詳細は、https://www.purdue.edu)