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デュアルモード内視鏡、前例のない子宮の健全性洞察性能

April, 13, 2022, Washington/Shenzhen--中国科学院深圳理工大学(Shenzhen Institutes of Advanced Technology)の研究者は、超音波とOCTを統合した新しい内視鏡を開発した。これにより、子宮内膜の構造的特徴をかつてないほど詳細に評価できる。新しいプローブは、いずれ医者が子宮内膜着床能に関わる不妊症問題を現在のイメージング技術よりも正確に診断する際に役立つ。しかも、侵襲的な生検の必要性はなくなる。

「このツールは、超音波とOCTの2つの技術を統合しているので、従来の膣超音波よりも多くの情報が得られ、子宮内膜の正確な評価ができる」と同大学、研究チームリーダーXiaojing Gongは説明している。「それは、基本的な子宮内膜研究に使用され、子宮内膜着床能や他の子宮内膜関連の疾患の臨床的評価を一段と進める」。

Biomedical Optics Expressの論文で研究チームは、そのデュアルモード内視鏡が、ウサギモデルで健康な子宮内膜組織と傷ついた組織の区別が、表面の特徴と深部情報の両方でできることを報告している。小動物で子宮内内視鏡イメージングの生体内デモンストレーションはこれが初である。プローブは、わずか1.2㎜径を計測できる。

子宮内膜は、胚盤胞が子宮着床し、健康な胎児に成長するために重要な役割を担う。着床失敗は、生殖過程における重要なボトルネックと認識されている。正常に機能しない子宮内膜着床能は、着床不全の約2/3を占める。

子宮内膜についての詳細な構造情報を提供することで、プローブは、侵襲性の少ない方法で、子宮内膜の問題が不妊の原因であるかどうかを判定する。これは、世界の女性の10~20%に影響を及ぼしており、他の子宮健康問題の診断にも役立つ。

「そのシステムは子宮内膜の厚さ情報、子宮内膜のエコーパタン、子宮内膜表面の損傷に関する情報を取得できる。これらは、子宮内膜着床能の評価で重要な役割を担っている。また、子宮内膜ガンや子宮筋腫など子宮の疾患を検出することもできる」(Gong)。

よりすぐれたプローブの作製
子宮内膜着床能評価で、現在のゴールドスタンダードの方法は、生検である。これは、外科的に、小さな組織サンプルを切除して分析する必要がある。内視鏡イメージングは、侵襲性の少ない方法であるが、現在の内視鏡は、子宮内の大きな欠陥、解剖学的奇形、つまりポリープを特定できるだけであり、子宮内膜の構造を評価しない。膣超音波は、子宮内膜の厚さについての情報を提供するが、子宮内膜着床能の包括的評価に必要な解像度とコントラストがない。

OCTは、比較的長い波長の光(NIR光)を利用して、散乱媒体からの高分解能画像を生成する。OCTは、眼科、心臓学や皮膚科を含む複数の医療分野で診断ツールとして採用されている。以前の研究ではOCTイメージングが、着床不全に関わる子宮内膜の構造的特徴を判断するために使えることを示していた。

新しい研究で、研究チームは、OCTと超音波を1つのプローブに統合するために開発したプロトタイプを改善した。OCT画像は、健全な子宮内膜組織がより滑らかで連続的な表面であることを示していた。一方、損傷のある組織は、粗い。超音波画像では、子宮内膜は、健全な組織では厚く、損傷のある領域では薄いことが確認された。各モダリティが、それ独自で貴重な情報を提供しているが、研究者が各情報を統合して初めて、包括的かつ正確に組織損傷度を評価することができた。

「これらの結果は、子宮内膜の損傷の広がりの検出では、バイモダリティが重要であることを実証している。相違は大きすぎ、単一モードの情報で損傷度を識別するのは困難である。しかし、2つのモダリティの情報を統合すると、損傷度を識別できる」(Gong)。

そのプローブは、エコーパタンも提供した。これは、膣超音波で得られるものと同じであるが、解像度は優れている。加えて、画像は、200µm程度のポリープのような形成など物理的特徴を明らかにした。これは、子宮内膜の健全性に影響する微小な損傷をそのプローブが区別できることを示している。

研究チームは、光音響モードを加えてプローブの能力を高め、子宮内壁の血流、血管網を観察できるようにする計画である。加えて、チームは、イメージングカテーテルのサイズ、分解能、イメージング範囲を改善することに取り組んでいる。それを臨床利用向けにより実用的にするためである。