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レーザクーリングによりAFMプローブの感度を20倍強化

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August, 18, 2014, Acton--オーストラリア国立大学(ANU)のレーザ物理学者は、原子間力顕微鏡(AFM)プローブを20倍高感度にし、検出能力を高める方法を発見した。これにより、個々のウイルスの重さほどに小さなものを検出できると言う。
 この技術は、物理学・工学研究の量子オプティクスグループの研究チームが開発したもので、レーザビームの利用に依存する。これにより、ナノワイヤプローブを-256℃に冷却することができる。
 量子オプティクスグループリーダー、Ping Koy Lam教授は、「冷却後に達成した感度レベルは、蚊よりも1000億倍軽いウイルスの重さを検知できるほどに正確である」と説明している。
 この開発成果はAFMの解像度向上に利用できる。
 AFMは、表面でワイヤプローブをスキャニングすることで微小な対象の計測に並外れた感度を実現しているが、人の髪の毛よりも500倍細いプローブは、振動しがちである。
 「室温では、プローブは振動する。これは単に熱のせいであり、これが計測にノイズを加える」とDr Ben Buchler氏は指摘する。同氏によると、このプローブにレーザを照射することでこの振動を止めることができる。
 ANUチームが使用したフォースセンサは幅200nmで、金で被覆したシルバー・ガリウムナノワイヤ。
 「レーザは、熱によってプローブを反らせ、動かすが、この反らせる効果を制御することができるようになった。したがって、われわれはこの効果を使ってプローブの熱振動を無効にすることができるようになった」と研究チームのPhD学生、Giovanni Guccione氏は言う。
 とは言え、プローブはレーザが動作しているときは使用できない。レーザの効果がプローブ感度を圧倒するためである。したがって、レーザをOFFにして数ミリ秒以内で、プローブが熱くなる前に素早く計測しなければならない。加熱と冷却を何回も行って計測することによって正確な値を見つけることができる。
 PhD学生、Harry Slatyer氏は、「この冷却効果が非常に役立つことが分かった。賢明なデータ処理により、感度を改善し、冷却レーザさえ必要でなくなるかも知れない」とコメントしている。