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USC、細胞の電場を検出・変更するデバイスを開発

January, 19, 2022, Los Angels--USC Viterbiの研究チームは、細胞の電場をセンシングし、変更することができる初のナノサイズ、分子デバイスを開発した。これは、基礎研究に新たな可能性を開く。

生体電気は、われわれの細胞を流れる電流であり、われわれが考え、話し、歩くための能力の基礎である。

加えて、細胞や組織の生体電場を記録し、変えることが、創傷治癒で極めて重要な役割を担うという証拠が増えている。また、ガンや心臓病などの病気と闘う可能性さえある。

USC Viterbi 工学部の研究チームは、周囲の生体電場を記録、操作することができる分子デバイスを開発した。

三角形のデバイスは、2つの小さな、分子を接続している。これは、ウイルスよりも小さく、DNAストランドの直径と同等である。

それは、近傍の細胞や組織に損傷を与えることなく、電場を「読み、書き」するための全く新しい材料である。2つの分子の各々は、短い炭素原子で接続されており、独自の別機能を持つ。「センサ」あるいはディテクタとして機能する。これは、赤色光によって局所電場を計測する、第2の分子、「モディファイア」は、青色光の露光により付加的電子を生成する。注目すべきは、各機能は異なる光の波長で独立に制御される。

人で使用する考えはないが、その有機デバイスは、試験管内実験で部分的に細胞膜の内側と外側に存在する。

研究成果は、Materials Chemistry Cに発表された。研究を主導したのは、USC Viterbi教授Andrea ArmaniとRehan Kapadia、論文の筆頭著者は、Yingmu Zhang。

Armaniラボは、新しい有機分子の開発に関与し、Kapadiaラボは、光で活性化されたときに「モディファイア」がいかに効率的に電気を生成するかのテストで重要な役割を果たした。

そのレポータ分子は組織に挿入されているので、非侵襲的に電場を計測でき、神経網の超高速、3D、高分解能イメージングができる。これは、新しい薬剤の効果をテストしている研究者、あるいは圧力や酸素のような状態の変化をテストしている他の研究者にとっては重要な役割を果たすことができる。以前の多くの他のツールと違い、それは、健康な細胞、組織に損傷を与えることなく、システムの遺伝子操作は不要である。

「この多機能造影剤は、すでに既存の顕微鏡に適合している。したがって、生物学から神経科学、生理学までの幅広い研究者が、生物システムについて新しい種類の問いを投げかけ、多様な刺激、薬剤、環境因子に対する反応を問いかけることができる。新境地は無限大である」とArmaniは話している。同氏は化学工学/材料科学のRay Iraniチェア。

加えて、モディファイア分子は、近傍の細胞電場により変更することで、正確に単一点に損傷を与えられるので、後の研究者は、カスケード効果を見つけ出すことができる。例えば、脳細胞、あるいは心臓細胞のネットワーク全体における効果である。

新しい有機デバイスのカギは、「クロストーク」を除去できることだった。これら2つの非常に異なる分子を結びつけて、2つのスクランブルした無線信号のように、相互に干渉しないようにするにはどうするか。ソリューションは、長いアルキル鎖で両方を分離する、アルキル鎖は、個々の光物理的能力に影響を与えない。

この多機能の新しい分子の次のステップに含まれるのは、ニューロン、バクテリアでテストすることである。
(詳細は、https://viterbischool.usc.edu/)