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光学顕微鏡で、1nmの人工分子マシン1個を「見て、触る」ことに成功

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July, 14, 2014, Tokyo--東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻の野地博行教授らは、分子の機械的な運動を可視化する「ビーズプローブ光学顕微鏡1分子運動計測法(1分子モーションキャプチャ法)」を大きさ1nmの人工分子マシンに適用し、その回転運動を「見て、触る」ことに成功した。
 1分子モーションキャプチャ法は従来、生体内でエネルギー変換を行う分子(生体分子マシン)の機能を解明するために考案された手法。生体分子マシン1個を「見て、触る」ことができ、運動の方向性や一歩で進むサイズ、発生する力などこの方法でしか解らない多くのことが明らかになるため、人工的に作製した分子マシン(人工分子マシン)でもこの計測が用いられるようになることが待たれていた。しかし、生体分子マシンの大きさは10nm程度であるのに対し、人工分子マシンの大きさはその1/10の1nm程度であるため、この手法をそのまま適用するのは困難だった。
 野地教授のグループは、1分子モーションキャプチャ法をさらに改良し、光学顕微鏡で可視化できる直径200nmのビーズを用いて大きさ1nmの人工分子マシンで、分子内の2枚の板状の部分がホイールのように回転するダブルデッカーポルフィリン1分子の運動を記録した。従来の手法を見直し、人工分子マシンが小さいために生じる固定化反応の効率の低下やビーズと基板の相互作用などを改善する工夫を行うことで、この手法の適用できる範囲を広げた。さらに、ビーズに外力をかけることで分子1個の運動を操作することにも成功。1nmという大きさは生体や人工の分子マシンの最小サイズであるため、この手法を用いることでどのような分子マシンの動きも可視化することができるようになる。人工分子マシン1個の振る舞いを「見て、触り」ながら性能評価できるこの手法は、人工分子マシンの目標の一つ「力を発生して運動する人工分子モーター」の実証に適用できる現在唯一の方法。将来、例えば光で駆動する人工分子モータを作製し、生体分子モーターと接続することによって、生体のさまざまな化学反応を光で操作できるテーラメイドなエネルギー変換技術が可能になると期待される。