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Massachusetts General Hospital
心臓発作の予測に役立つ新しいイメージング技術

March, 25, 2021, Washington--マサチューセッツ総合病院、ウエルマン光療法センタの研究者は、新しい血管内イメージング技術を開発した。心臓発作につながりそうな冠動脈プラークの検出に、いずれ、これが使われることになる。心臓発作では、不安定なプラークが破裂し、血液と酸素を心臓に運ぶ主要動脈をブロックする。

「不安定な冠動脈プラークが、破裂前に発見されると、薬剤あるいは他の治療が早期に始められ、心臓発作を防ぎ、生命を救える」とマサチューセッツ総合病院ウエルマン光医学センタの研究チームリーダー、Seemantini Nadkarniは説明している。

Biomedical Optics Expressに発表された論文では、研究チームは、その新しい血管内レーザスペクルイメージング(ILSI)技術を生きた動物モデルで前臨床実証したことを報告している。チームは、心臓の動き、血流および呼吸の生理学的条件下で最も破裂しそうなプラークの明確な力学的特徴をILSIが特定できることを初めて示した。

「人々の心臓発作による死を減らすには、危険な状態の患者を特定し、高リスクの不安定プラークを見つける包括的なスクリーニング戦略が必要であり、その上で治療が可能になる。不安定プラークの発見で重要な指標、力学的安定性を計測する固有の機能により、ILSIは冠状動脈評価に新たなアプローチになると見られている」(Nadkarni)。

プラークの力学的安定性を捉える
血管内技術は、不安定プラークの微細構造特性を評価するために開発されたが、最近の研究では、微細構造および組成的特徴に加えて、力学的特徴がプラーク破裂に影響を与えることが分かっている。

「プラークの力学的特徴の計測は、破裂やそれに続く心臓発作につながる不安定性プラークを特定する上で重要である。ILSIは冠動脈プラークの力学的特徴の指標を定量化する独自の機能を提供し、したがって力学的安定性の直接的評価ができるようにする」(Nadkarni)。

力学的特徴を評価するために、ILSIは、レーザ光が組織から散乱する際に形成されるレーザスペクルパタンを使用する。高速カメラで見ると、プラークの粘弾性特性のために、スペクルは時間的に変動している。これにより研究者は、脂質が多くなりがちな不安定プラークの力学的特徴を計測、判定できる。

この新しい研究のために、われわれは小径血管内カテーテルを開発した。これは光ファイバを組みこんでいて、冠動脈壁に光を送り込む。また、小径ファイババンドル、ポラライザ、GRINレンズを利用して、反射されたスペクルパタンをCMOSセンサで撮像する」(Nadkarni)。

前臨床試験で研究チームは、ブタ異種移植モデルの人の冠動脈における不安定なプラークを検出するILSI装置の能力を評価した。このモデルシステムは、麻酔した生きたブタの鼓動する心臓に縫合された人の冠動脈を使用する。チームは、スペクルパタン強度の振動レート、つまり時定数を計算することで動脈内のプラークの力学的特徴を評価し、その結果を組織病理学的所見と比較した。

「不安定なプラークの時定数は、冠動脈壁の他の安定したプラークと比べて、著しく、明らかに低かった」(Nadkarni)。。「これらの結果は、ILSIの絶妙な診断感度、生理学的条件下で最も破裂しそうな人の脂質プールプラーク検出でILSIの特異性を証明した」。

研究チームによると、その新技術は、OCT、血管内超音波など他の冠動脈技術に簡単に組みこんで、ILSIからの力学的初見と形態情報を統合して、プラークの安定性評価を改善することができる。

チームは、生きた動物の冠血管系の迅速評価のためにILSI装置の能力を継続して検証する計画である。これらの前臨床研究が完了すると、そのカテーテルの人への利用の安全性を評価し、次に臨床利用のために規制認可を取るプロセスを始める。