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グラフェンにペロブスカイトを3Dプリンティングした次世代X線ディテクタ

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March, 8, 2021, Lausanne--3Dアエロゾルジェットプリンティングを使いペロブスカイトをグラフェンに堆積することでEPFLの研究チームは、記録的な感度のX線ディテクタを作製した。これは、大幅に効率を高め、医療イメージングデバイスのコストと健康障害を低減する。

医療イメージングは、低露光条件で行われることが多く、したがって、いわゆる「抵光子束」で動作可能なコスト効果の優れた、高分解能ディテクタが必要になる。光子束は、所定時間でディテクタに当たるフォトンの数を示しており、次にそれが生成する電子の数を決める。

基礎科学学部László Forróをリーダーとする研究チームは、まさにそのようなデバイスユニットを開発した。中古の3Dエアロゾルジェットプリンティングを使い、チームは高効率X線ディテクタを製造する新方法を開発した。これは、標準のマイクロエレクトロニクスに簡単に組みこむことができ、医療イメージングデバイスの性能を著しく高める。

その新しいディテクタは、グラフェンとペロブスカイトでできている。これらは、金属に結合した有機化合物で構成される材料。それらは多用途であり、合成が容易であり、幅広いアプリケーションの最前線にある。太陽電池、LED光、レーザやフォトディテクタ。

エアロゾルジェットプリンティングは比較的新しく、抵抗、カパシタ、アンテナ、センサ、薄膜トランジスタなどの電子コンポーネントの3Dプリントに利用されている。また、特殊な基板にエレクトロニクスをプリントする際にも利用される。例えば携帯電話の場合。

CSEMのエアロゾルジェットプリンティングを使い研究チームは、グラフェン基板にペロブスカイト層を3Dプリントした。その考えは、デバイスでは、ペロブスカイトがフォトンディテクタおよび電子ディスチャージャとして機能し、一方でグラフェンが出力電気信号を増幅する、と言うものである。

研究チームは、メチルアンモニウムヨウ化鉛ペロブスカイト(MAPbI3)を使った。これは、魅力的な光電子特性のために最近非常に注目されており、低製造コストとの組合せがよい。「このペロブスカイトは重原子であり、フォトンに高い散乱クロスセクションを与えるので、この材料はX線ディテクタには最適である」と研究チームの化学者、Endre Horváthはコメントしている。

成果は驚嘆だった。その方法は、記録的な感度、最高レベルの医療イメージングデバイスの4倍向上X線ディテクタを実現した。

「グラフェンでPVペロブスカイトを使うことで、X線に対する応答は、著しく増加した。これは、われわれがこれらのモジュールをX線イメージングに使用するなら、画像形成に必要なX線量は1000倍低減可能であり、人への高エネルギー電離放射の健康被害を低減できる」とHorváthは説明している。

ペロブスカイト-グラフェンディテクタのもう1つの利点は、それを使うことで簡単に画像が形成できることである。「高度なフォトマルや複雑なエレクトロニクスは不要である」とHorváthは話している。
研究成果は、ACS Nanoに発表された。

(詳細は、https://actu.epfl.ch)