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光を使って分子パタンを引き出す

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June, 18, 2020, Zurich--ETH-Zurich研究チームは、生細胞を誘導する分子のパタンを引き出すために光を使う新しい方法を開発した。そのアプローチにより多細胞生物の成長をよく見ることができる。また将来的には、新しい治療でも役割を果たす可能性がある。

非常に複雑な生物は、単一の細胞から生まれる、これは自然の真の神秘の一つである。モルフォゲンとして知られる物質は、この成長で重要な役割を担う、つまり細胞にシグナルを送ることで、どこに行くべきか、何をすべきかを指示する。これらの信号分子は、体軸の形成、脳の配線など、生物学的なプロセスを誘導する。そのようなプロセスをさらに詳細に研究するために研究者は、三次元空間の生細胞にそのシグナル分子を位置づけることができなければならない。これは、Marcy Zenobi-Wong を研究グループ長とするNicolas Broguiereのグループが開発した新しい方法によって可能になった。研究成果は、Advaanced Materialsに発表されている。

光で描く
Zenobi-Wong教授は、「われわれのアプローチにより、生物活性分子をヒドロゲルに高精度に配置できるようになる」と説明している。同氏は、ETH-Zurich健康科学技術学部組織工学とバイオファブリケーション教授。生細胞がヒドロゲルにカプセル化されているとき、これら生化学信号を検出が可能になる。一つのそのような信号、神経成長因子は、神経繊維が成長する方向を確定する。2光子パタニングという方法では、研究チームはヒドロゲルにこの分子の3Dパタンを描くためにレーザを使った。

「光がその材料に集中しているときはどこでも、それが、神経成長因子をヒドロゲルに固定する化学反応を始動させる」とBroguiereは説明する。「その信号分子が、レーザ露光のある領域だけに、着くように、それ以外のどこにも着かないように、われわれは感光性ヒドロゲルの設計を注意深く最適化した」。この新しいアプローチは、神経繊維のサイズ、1㎜の1000倍小さい精度で、モルフォゲンの「ペインティング」ができる。研究チームは、次に顕微鏡で、ニューロンが精密に計画されたパタンをどのように辿るかを観察することができた。「この新しい方法で、われわれの生化学的な言語を使い、ニューロンを効果的に3Dでガイドできる」とBroguiereは言う。
 
神経繊維が裂けたとき
多くの生物学者は以前から、特定の方向に細胞を成長させたいと夢見ていた。ETH研究グループが開発した新しいアプローチは、その夢の完成に一歩近づいた。Zenobi-WongとBroguiereは、このイノベーションが医療に潜在的な利益をもたらすと考えている。例えば、事故で神経が裂けたとすると、その再接続は偶然に起こり、完全機能は回復されない。「この方法で患者の治療を始める準備ができているという印象を与えたくないが、将来、われわれのアプローチの改良バージョンは、ニューロンに体位の適切な経路を示し、神経損傷からの回復に役立つようになる」。

(詳細は、https://ethz.ch)