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東京医科大学、難病 ALS、光操作で再現

March, 10, 2020, 東京--意識や五感が保たれたまま、体を全く動かすことができなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、、ALS)は、根本的な治療法がない最も過酷な病の一つといわれている。ALSで障害をうける神経細胞「運動ニューロン」が、いつ、どのように機能を失い始めるのかについては明らかになっておらず、そのことが治療法の開発を妨げている。
 この問題を解決するために、研究グループは、光を使って TDP-43というタンパク質 を操作する技術を開発し、ALS にみられる様々な運動ニューロンの異常を光照射によって再現することに世界 で初めて成功した。
 浅川和秀准教授らは、ALS の運動ニューロンで塊を形成することが知られている TDP-43 に、青い光を吸収 すると塊を形成するように改変を加え、塊の形成を光照射によって自在に調節する技術を開発した。光の 照射を開始した後、TDP-43 の塊が形成される前に照射を停止しても、運動ニューロンに異常が現れることが 明らかになり、これまで予想されていたよりも早い段階で、TDP-43 が運動ニューロンに障害を及ぼしているこ とがわかった。塊の形成に先立つ TDP-43 の集合を防ぐことが、有効な ALS の治療法になると期待される。

 研究成果は、英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。研究は、東京医科大学ケミカルバイオロジー講座の浅川和秀准教授、半田宏特任教授、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の川上浩一教授による共同研究グループによって実施された。
(詳細は、https://www.nig.ac.jp)