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食品媒介の病気を容易に検出できるポータブルデバイス

February, 25, 2020, West Lafyette--米国では、食中毒は毎年6人に1人の割合で起こる。疾病対策予防センタ(Centers for Disease Control and Prevention)の推定では、4800万人のアメリカ人が、31の既知の病原菌1つ以上で病気に罹る。これには、E. coliの特に厳しい株、E. coli O157:H7が含まれる。

パデュー大学(Purdue University)の研究者は、検出をより効果的にすることで、年間3000人が死亡する食中毒蔓延阻止に役立つ新技術の開発に取り組んでいる。チームが開発したのは、ポータブルデバイスと結合した生物発光ベースのアセイで、これはスマートフォンやラップトップで動作し、食品サンプル中の有害なE. coliの現場テストができる。

シリコンフォトマルティプライヤ(SiPM)デバイスは、生物発光アセイからの微光を使い、食中毒の原因となる食品サンプル中のバクテリアの存在を検出する。研究チームは、増幅器、コンパレータ、マイクロコントローラを持つ電子回路も作製し、Bluetoothでデータをラップトップやスマートフォンに送る。研究チームは、3Dプリンティングを使ってSiPM用に携帯クレードルを設計した。研究成果は、Applied Opticsに発表された。

「われわれの目標は、簡単で好便な、効果的なプロセスを使って食中毒の原因をコスト効果良く検出できる技術とプロセスを実現することである」とパデューの工学部機械工学シニア研究者Euiwon Baeはコメントしている。同氏が、パデュー農学部食品化学教授、Bruce Applegateとともにその技術を開発した。「このタイムフレームは、病気に罹る人々が増えないように、統合型検出、素早いアクションを考慮に入れている」。

概念実証を示すために研究チームは、近くのスーパーの牛の挽肉のサンプルを人工的に汚染して、デバイスをテストした。チームは、E. coliをビーフサンプルに注入し、次に10時間の培養で、デバイスを使いそのサンプルを分析した。

ビーフは、変形ファージ、バクテリアのウイルスを含む強化液で洗われ、培養されている。サブスレートが加えられるとバクテリアが発光しSiPMで検出できるように、ファージは、有害な食品培養バクテリアに感染している。デバイスは、光パルス、フォトンをカウントできる。

「われわれのアセイは、既存の検出法に比べて、高感度、低コスト、優れた可搬性、その他の明確な優位性がある」とApplegateは主張している。

スマートフォン技術で使用される特殊ファージは、パデュー大学系列スタートアップ、Applegateが開発し、Phicrobeが販売する。
(詳細は、https://www.purdue.edu/)