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新旧の顕微鏡を統合して細胞内部でもベストの3D画像を生成

February, 21, 2020, Berkeley--Howard Hughes Medical Institute (HHMI) とUC Berkeleyの研究チームは、電子顕微鏡と最新の超分解能顕微鏡を統合することで、複雑な細胞内部を、すべて3Dで非常に詳細に見ることができた。
 Scienceに発表されたレポートで、研究チームは、cryo-SR/EMと名付けた技術を説明し、研究チームが捉えたカラー画像の一部を紹介している。これらに含まれるのは、細胞内でカーゴを動かして分類する触覚のある小嚢の詳細な画像、脳の隣接ニューロンを接続する繊細な網、幹細胞がニューロンに分化する際の核内のDNA再配置画像。

「細胞は、数十億の可動部分、分子を持つ信じられないほど複雑な自己再生マシーンである。各イメージング技術は、このマシーンを異なる、不完全な方法で見ている」とUC Berkeleyの分子と細胞生物学、物理学教授、HHMI の研究者Eric Betzigは言う。「cryo-SR/EM でわれわれがしたように、2つの異なるイメージング法を統合することで、ナノスケールで細胞構造を見ることができる、これはどちらか一方だけではできない」。

例えば、光学顕微鏡は、簡単に見ることができる蛍光分子を細胞につけることで特定の細胞構造を容易に特定できる。Betzigなど超解像度(SR)蛍光顕微鏡の開発で、これらの構造は、さらにはっきりと見ることができるようになった。しかし蛍光は、所定時間で細胞内の10000を超えるタンパク質分子のわずか数個を明らかにできるだけであり、これらの数個が他の全てにどう関連しているかを理解することは困難である。

一方、電子顕微鏡(EM)は、高解像度画像で全ての細胞構造を明らかにするが、EMだけで全ての他のものから一つの特徴を詳しく表現することは難しい、細胞内の空間が非常に込み入っているからである。

2つの技術を統合することで研究者は、特定の細胞の特徴が、その周囲にどう関係しているかを明確に示すことができる、とHarald Hessは説明している。「これは非常に強力な方法である」。
(詳細は、https://news.berkeley.edu/)