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先端顕微鏡で大麻の生化学工場の内部構造を解明

January, 16, 2020, Vancouver--ブリティッシュコロンビア大学の新しい研究によると、マッシュルーム形状のヘアを持つ大麻の花は、最大のカンナビノイドと芳香効果を詰め込んでいる。

大麻の葉は象徴的であるが、それは大麻の花の微小な霜のようなヘアで作られる化学物質であり、そのためその植物は、精神賦活性、薬効成分と独特の香りを出す。

Plant Jounalに発表された研究で、UBC研究チームは、その様々な種類のヘア、繊毛状突起の固有の構造と化学的排出物を初めて明らかにした。

研究成果は、多くの大麻専門家が、以前から疑問に思っていたことを確認している。最大のマッシュルーム形状の茎のある繊毛状突起には、THC- および CBD-形成代謝物質と香りを出すテルペンの最大の源泉である。

「その経済的な価値にもかかわらず、大麻植物の生物学についてのわれわれの理解は、まだ初期段階である。これは、合法的アクセスが制限されているためである」とUBC植物学ポスドクフェロー、Teagen Quilichiniは説明している。「トリコームは、大麻草の化学物質工場であり、この研究は、その価値ある生産物をどのように作り、製造しているかを理解する基礎である」。

以前の研究は、球根状、無柄、茎のあるという外見に基づいて三種の繊毛状突起を特定していたが、大麻の化学品への相対的寄与度はわかっていなかった。

この研究のために、UBC研究者は最先端の顕微鏡技術と化学的プロファイリングの組み合わせを利用して、早い開花のFinolaと言われているCannabis sativa(大麻)の内部構造と発達を調べた。

UV光下で、茎のあるトリコームが明るい青色光を発し、大きな独特のパイ形状細胞ディスクを含むことが明らかになった。小さい方の無柄トリコームが赤い色を発し、分泌ディスクは小さく、芳香テルペンは少なかった。

「茎のある繊毛状突起は、“細胞工場”を拡大して、カンナビノイドと芳香テルペン産出を増やした。細胞工場は無柄の先駆体から成長し、発達中に劇的に変化する。これは新しい顕微鏡を使って可視化することができる」とUBC植物学、論文の共著者、Sam Livingstonは説明している。

結果として、Livingstonの説明によると、UV光は、花のトリコーム成熟、最適収穫期のモニタに使用できる。

研究チームは、トリコームDNAの指示が、その植物の生化学生成物にどのように変換されるかを調べるために遺伝子発現解析も行った。Finolaの茎のあるトリコームは、カンナビジオール酸(CBDA)とテルペンを作るように強く駆り立てられていることを確認した。

「われわれは、カンナビノイドとテルペン製造をサポートする遺伝子の宝庫を見つけた。さらなる研究で、分子遺伝学や従来の育種技術を使い、より多産なマリワナ種、特殊なカンナビノイドとテルペンプロファイルを持つ種を生産するためにこれを利用することができる」とUBD植物学教授、Lacey Samuelsは説明している。

次に、研究チームは、トリコームが、生産した代謝産物をどのように放出し蓄積するかを調べる。

「トリコームは、その細胞壁に代謝産物を蓄えている。実に驚かされることは、そのような高レベルの産物は、細胞に毒性を持つので、これをどう管理しているかを理解したい」とLivingstonは話している。