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マシンラーニング顕微鏡、診断改善に照明を適用

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January, 8, 2020, Durham--デューク大学のエンジニアは、照明角度、色およびパタンを状況に合わせる顕微鏡を開発した。この顕微鏡では、既定の診断作業を遂行するために必要な最適設定をそれ自体が学習する。

最初の概念実証研究では、その顕微鏡は、照明パタンと分類システムを同時に開発した。これにより、それは、訓練された病理学者や他のマシンラーニングアプローチよりも、マラリア原虫に感染した赤血球を迅速かつ正確に同定することができた。
 研究成果は、Biomedical Optics Expressに発表された。

「標準顕微鏡は、すべての方向から来る同じ量の光でサンプルを照射する。その光は数百年前から人の眼に最適化されている」とデューク大学バイオメディカルエンジニアリング准教授、Roarke Horstmeyerは言う。

「しかしコンピュータは人が見ないものを見ることができる。したがって、様々な範囲の照明オプションを提供するハードウエアを再設計するとともに、顕微鏡がそれ自身のために照明を最適化できるようにした」。

研究チームは、スライドを均一に照射するために下から白色光を拡散するのではなく、ボール形状のLEDs光源を開発した。LEDsはその表面全体に埋めこまれている。これによりサンプルは、最大90°程度まで、異なる色で、様々な角度から照射される。これは基本的に影を映し、使用されるLEDsのパタンに依存してサンプルの様々な特徴を目立たせる。

次に研究チームは、薄層塗抹標本として用意したマラリアに感染した赤血球のサンプル数100を顕微鏡に供給した。その中では、細胞体は完全なままであり、顕微鏡スライドに理想的に単層で広げられる。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)というマシンラーニングアルゴリズムを使い、顕微鏡は、サンプルのどの特徴がマラリア診断に最も重要であるかを学習し、その特徴を最も目立たせる方法を学習した。

アルゴリズムは、最終的に、比較的高角度から来る様々な色のリング形状LEDパタンに落ち着いた。結果としての画像は通常の顕微鏡画像よりも目立つが、ブライトスポットのマラリア原虫を目立たせ、時間の約90%で正しく分類する。訓練を受けた医者や他のマシンラーニングアルゴリズムは一般に、75%程度の精度である。

「取り出すパタンは、不均一で必ずしもわかりやすくない様々な色のリング状。画像が、臨床医が作るものよりもぼやけていて、ノイジーであっても、アルゴリズムからすれば、ノイズとうまくやっている、となる。実際、診断に役立つようにマラリア原虫を目立たせているだけだ」とHorstmeyerは説明している。

次に同氏は、LEDパタンと分類アルゴリズムを世界中の別の協力者のラボに送った。その結果が多様な顕微鏡セットアップに翻訳できるかどうかを見るためである。他の研究所は、似たような成功を示した。

「医者は、一つのマラリア原虫を見つけるために1000の細胞を調べなければならない。非常に接近して拡大するので、恐らく一度に10程度しか見ることができず、スライドを読むのに10分程度を要する。われわれの顕微鏡がすでに数秒で選び出したわずかな細胞だけを見るだけなら、そのプロセスは大幅にスピードアップする」とHorstmeyerは説明している。

研究チームは、その顕微鏡が厚層塗抹標本でもよく機能することを示した。そこでは、赤血球が、極めて不均一な背景を形成し、分かれている可能性がある。それに備えるためでは、マシンラーニングアルゴリズムは時間の成功率は99%だった。

Horstmeyerによると、精度の改善は期待できる。テストされた厚層塗抹標本が薄層塗抹標本よりも強く染色されており、また高いコントラストを示していたからである。しかし準備に時間がかかり、そのプロジェクトの背景にある動機の一部は、医者が少なく,ボトルネックが一般的な低いリソース設定における診断時間の削減である。

最初の成功を手にして同氏は、顕微鏡とマシンラーニングアルゴリズムの両方の開発を続けている。

デュークの工学部院生グループは、再設定可能なLED顕微鏡コンセプトを微小化するためにスタートアップSafineAIを立ち上げた。同社はすでに、地域ピッチコンペで12万ドルの賞金を獲得している。

一方、Horstmeyerは、別のマシンラーニングアルゴリズムに取り組んでいる。LEDパタンを読み取ろうとしているどんな特別のスライドにも調整できる顕微鏡バージョンを作るためである。

「われわれは、基本的に、画像取得プロセスに少し頭を使おうとしている。顕微鏡が、その自由度の全てを使えるようにしたい。黙々と画像を撮る代わりに、スライドに存在するものをよりよく理解するために、人がするのと同じように焦点と照明を扱うことができる」と話している。