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TU Wien、高速イメージングAFM

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November, 7, 2019, Wien--ウイーン工科大学(TU Wien)の研究者は、原子間力顕微鏡(AFM)用に新しいタイプのセンシング素子を開発した。これにより測定速度向上し、生細胞で敏感なプロセスさえ撮像できる。
 微小な物体の高精細画像は、今日一般的である。バクテリアやウイルスのイメージング、分子や個別原子さえ詳細にイメージングできる。原子間力顕微鏡(AFM)は、振動チップをサンプル表面と接触させるか、近づける必要がある。AFMは、この目的のためによく使われている。しかし、今までは、繊細なサンプルを壊す危険がある高速イメージング技術と時間のかかる穏やかなイメージング技術の間の選択だった。
 今回、TU Wien電気工学と情報工学部の研究者が、このジレンマを回避する道の発見に成功した。従来の標準法は微細チップ付微小アームを直接振動させるが、そうではなく、この方法は、プレートの振動を引き起こす。プレートには、超微細チップを取り付けた小さな特注アームがある。2つのコンポーネントをうまく接続することで、考えられる計測スピードは速くなり、影響を受けやすい対象のビデオさえ可能となるほどである。例えば、薬剤に反応する過程にある生細胞などである。TU Wienは、すでに、プレートとアームで構成されたそのマイクロ構造の特許を申請した。それは、最先端の今後のAFMの中核を形成することを目標にしている。

ポイントごとに画像を感じる
 「AFMでは、われわれは、カンチレバーとして知られている微小アームを使う。これは、わずか数マイクメートルサイズである。カンチレバーが、その共鳴周波数で振動すると、振動は極めて高速であり、一般に、1秒に数十万回である」とInstitute of Sensor and Actuator SystemsのUlrich Schmid教授は言う。カンチレバーは、それに取り付けられた超微細チップを持つ。それがサンプル表面に近づくと、サンプルと振動するチップ間に原子レベルで力が作用する。これがカンチレバーの振動の動きを変える、その振動はわずかに異なり、この変化が計測される。
 この計測は点ごとに行われなければならない、新しい計測結果は、サンプルの各部分で得られ、またこれらの数値のすべては、次に統合されて、コンピュータ画像にならなければならない。実際、重要な点は、そのような画像の作成にかかる時間である。短時間に対象を撮像したいなら、高速で振動するカンチレバーを使う必要がある。「これは、機械的な剛性をどんどん高くしたカンチレバーを使うことで達成できる。しかし、これの問題は、計測機器の振動部分の剛性が高くなり、柔軟性がますます失われると、サンプルを破壊する可能性がますます大きくなることである。このため、多くの生体サンプルは、以前は特別に穏やかな技術を使ってしか撮像できなかった。したがって、それはより多くの時間がかかる」とUlrich Schmidは説明している。したがって以前には、このようなサンプルを短時間で観察し、素早い変化を可視化することは、できなかった。
 
プレートを振動させ、穏やかな計測
 研究チームは、今回、物理的なトリックを使いこの問題を回避する方法を見出した。つまり、小さなプレートにカンチレバーを取り付けた。ここではカンチレバーの代わりに、プレートがその共鳴周波数で振動する。プレートの一定の周波数は、特別な方法で活性化できるので、カンチレバーは、そのプロセスでプレートともにパッシブに動かされる。つまり、振動周波数がもっと高くても、カンチレバー自体は、以前よりもはるかに柔らかくできる。
 「われわれは、カンチレバーと振動プレートで構成される結合振動システムを作製した。プレートは、高い周波数でも、それ固有の周波数で振動しているとき、カンチレバーよりもはるかに剛性は低い、剛性が低いとは、影響を受けやすいサンプルに対する破壊性が少ないことを意味する」とJonas Hafnerは説明している。
 その新しい計測センサは、液体の中で機能する。これは、生体プローブでは特に重要である。そのマイクロ構造の特許はすでに申請している。
 その新しいセンシング素子は、柔らかな材料、表面で、高い計測速度が必要とされるところではどこでもその力を示すことができる。将来的に、生体サンプル、生物化学プロセスで利用されるが、例えば脆弱なポリマー構造など、材料研究でも重要な役割を果たす。
(詳細は、https://www.tuwien.at)