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手術結果改善に役立つ3D仮想現実モデル

October, 31, 2019, Los Angels--UCLAの研究によると、腎臓腫瘍手術の準備に3D仮想現実(VR)モデルを利用することで手術結果が大きく改善されたことが確認されている。手術中の血液の損失が少なく、術後の入院も短縮された。
 3Dモデルに関する以前の研究は、品質の問題が大きかった。例えば、そのモデルが、手術に向けて外科医に信頼度を提供できるかどうか。これは、その技術が患者の予後を改善するかどうかを質的に評価するための初の無作為研究である。
 3Dモデルにより、外科医は患者の生体構造の視覚化を改善し、構造の深さと周囲を見ることができる。これは2D画像と異なる点である。
 研究成果は、JAMA Network Openに発表された。
 研究論文の主筆、Dr. Joseph Shirkは、「3Dモデルを使うことは患者の生体構造の理解向上となり、患者予後の改善にもなることが、以前から理論化されていた。しかし、大手医療センターの経験豊富な外科医が生み出したこの重大な証拠を実際に見ることは、まったく違う問題である。これが示していることは、3Dデジタルモデルをガン手術に使うことは、もはや将来的に考えるべきことではなく、今考えなければならない、ということである」とコメントしている。
 研究では、6つの教育研究病院の92名の腎臓腫瘍患者をランダムに2グループに振り分けた。48名はコントロールグループ、44名は介入グループだった。
 コントロールグループの患者には、外科医は、患者をCTまたはMRIスキャンのみで見直して手術を準備した。介入グループの患者には、医者はCTまたはMRIスキャンと3D仮想現実モデルで見直して手術を準備した。3Dモデルは、外科医のモバイルフォンや仮想現実ヘッドセットを通じて精査された。
 「マルチカラー3Dフォーマットで患者の生体構造を可視化、特に仮想現実で可視化することで医者は、重要な構造とそれらの相互関係を一層よく理解できる。この研究は腎臓ガンのためであるが、3Dモデルを手術計画に使用する利点は、多くの他のタイプのガンの手術、前立腺、肺、肝臓、膵臓などにも移行することになる」とShirkは話している。

(詳細は、http://newsroom.ucla.edu/)