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先進的イメージングで脳腫瘍の変節者を追跡

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July, 25, 2019, Atlanta--成人の脳腫瘍で最も致命的なタイプ、グリオブラストーマは、「裏切り者」を引き寄せる。これらは、マクロファージ(大食細胞)、一種の免疫細胞で、これが腫瘍進行を促進し、腫瘍を免疫系の監視から覆い隠す。脳腫瘍がリクルートする細胞をもっとよく理解するために、Dolores Hambardzumyan, PhDをリーダーとするチームは、先進的なイメージング技術を開発した。これは生きたマウスの脳腫瘍に見つかるマクロファージを可視化する技術である。
 研究成果は、PNASに発表した。
 研究チームは、これらのマクロファージの出現場所に依存して、その外見と挙動が大きく変わることを実証した。Hambardzumyanのチームは、その結果は、ガン治療の一環として、マクロファージの脳腫瘍への進入を阻止する戦略にサポートを提供すると話している。
 「この研究は、グリオブラストーマ関連のマクロファージ群を分離して、また、まとめて研究するための新しいマウスモデルを研究界に提供する。われわれの成果は、マクロファージ進入阻止の有効性を証明しており、患者の生存を強化するための併用療法の利用を求めている」と同氏は話している。
 腫瘍関連のマクロファージは、2つの明確な起源がある。末梢血液供給から、あるいはすでに脳組織内に存在する細胞、膠細胞からである。Hambardzumyanの研究室は、脳から来るマクロファージと比較して、血液からのマクロファージは、数が遙かに多く、挙動がアグレッシブであることをこれまでに実証している。
 「グリマブラストーマ治療により効果的な免疫療法を開発するために先ず、これらのマクロファージ群の各々の個別特性を理解しなければならない。それらは、一つの同質の存在としてではない」とポスドク研究者、Zhihong Chenは話している。
 研究チームは、マウスモデルを開発した。これにより、腫瘍内部に進入するマクロファージをリアルタイムで観察することができる。そのマウスは、遺伝子的に改良されており、特定グループのマクロファージ細胞だけが蛍光タンパク質を生成する、したがって末梢血液からのマクロファージ、あるいは脳の膠細胞を顕微鏡で見ることができる。
 研究チームは、脳腫瘍の上に薄いガラスでできた透明のイメージングウインドウを挿入し、2光子イメージングを含む先進的技術を使ってマクロファージを、移動し、腫瘍との相互作用を時間経過ととも観察した。また、腫瘍を500µmの深さまで、最大数時間まで細胞をイメージングした。
 チームは、薄いガラス製の透明イメージングウインドウを脳腫瘍の上に導入し、2光子イメージングを含む先端技術を利用して、マクロファージの時間的な動き、腫瘍との相互作用を観察した。腫瘍では500µmの深さの細胞を一度に最大数時間撮像することができた。
 チームは、血液由来と脳に存在するマクロファージ間の明確な形態学的相違と行動の違いを確認した。血液由来のマクロファージが相対的に小さく、運動性が強く、血管に沿って素早く動き回ることも示した。反対に、脳に存在するマクロファージは大きく、高度に分岐しており、最小移動行動の静止細胞であることも見いだした。
 血液由来のマクロファージの進入を阻止するための効力をテストするために、マウスを薬剤(抗VEGF抗体、ベバシズマブ)で処置した、これはグリオブラストーマの不規則な血管構造を正常化するものである。この薬剤は、グリオブラストーマの治療、患者のQoL改善のために臨床的に利用されている。研究チームは、処置された腫瘍にはマクロファージが少なく、これらのマウスでは生存が増加したことを観察した。また、マクロファージにおける形態学的スイッチも観察した。このことは、これらの細胞の進入が阻止されるだけでなく、その分化の状態も影響を受ける可能性を示唆している。
 積極的治療戦略にもかかわらず、グリオブラストーマ患者の平均生存率はわずか12ヶ月である。この悲惨な結果の一因は、現在の治療戦略が、腫瘍内の他の細胞タイプ、例えば腫瘍関連マクロファージの特性を効果的に標的にすることに失敗しているということである。Hambardzumyanの研究室は、現在、積極的に新しい治療アプローチを発見しようとしている。例えば、マクロファージ進入の阻止である。これと免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、これら致死性の脳腫瘍を処置する。