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KAIST、敗血症誘導肺疾患の原因を特定

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May, 28, 2019, Seoul--KAISTの研究チームは、特注3D生体内肺顕微イメージングシステムを使って、体内の肺微小循環と循環細胞の可視化に成功した。チームは、敗血症誘導急性肺損傷(ALI)中に好中球凝集という一種の白血球を見つけた。これは、血液微小循環の障害やデッドスペースにつながる症状である。
 研究チームによると、この現象は、肺血症モデルで肺障害を起こす組織低酸素症に関連している。好中球の緩和は、低酸素症や微小循環を改善することになる。
 肺は、呼吸プロセスで酸素と二酸化炭素ガスの交換に関与しており、生命維持に重要な機能を担う。このガス交換は、肺胞中で行われる。各肺胞は、赤血球細胞を含む多くの毛細血管で囲まれている。
 研究チームは、肺胞の微小循環の観察に尽力したが、絶えず呼吸動作を行っている肺内部の毛細血管や赤血球を高解像度で捉えることは難しい。
 医科学・工学部のPilhan Kim教授のチームは、超高速レーザ走査共焦点顕微鏡とイメージングチャンバを開発した。チャンバは、肺の呼吸状態を維持しながら肺の動きを最小化することができる。チームは、この技術を使って、敗血症の動物モデルの毛細血管内の赤血球循環を捉えることに成功した。
 プロセス中に研究チームは、低酸素症が肺血症モデルの肺内部デッドスペースの増加によって誘発されることを確認した。この現象は、毛細管と細動脈内の好中球凝集、トラッピングによるものである。また、トラップされた好中球は、肺血症モデルの肺組織に損傷を起こすことも示された。
 詳細検討により、肺血管中の凝集好中球は、正常に循環する好中球に比べて、細胞内接着に関与する、Mac-1 受容体(CD11b/CD18)を高発現であることが示された。加えて、Mac-1抑制剤が、阻止された微小循環を改善し、低酸素症を改良することを確認した。同時に肺血症モデルの排水腫を低減する。
 チームの高解像度3D体内顕微技術により、肺内部の生きた細胞のリアルタイムイメージングが可能になる。この研究は、敗血症を含む様々な肺疾患の研究に利用できる。
 研究チームの肺循環イメージングと精密分析技術は、新しい診断技術開発の基礎技術に、また微小循環に関連する様々な疾患の新しい治療薬の評価にも使用される。
 Kim教授は、「ALIモデルでは、肺微小循環の阻害は、好中球によって起こる。この効果を制御し、微小循環を改善することで、低酸素症や肺水腫を除去することができる、肺血症患者治療の新しい、効果的な戦略である」と話している。
 研究チームの3D生体内顕微技術は、IVIM Technology, Incから商用化された。同社はKAIST学部スタートアップ。様々な人の疾患の複雑な病態生理学についての基礎的生体医療研究のための次世代イメージング装置は、今後の世界的バイオヘルス市場で重要な役割を果たすことになる。
(詳細は、https://www.kaist.ac.kr)