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蛍光センサ付マイクロ流体デバイスでエボラウイルス検出効果向上

May, 24, 2019, Henrietta--ロチェスター工科大学(RIT)研究者が、致死性のエボラウイルスを検出できるバイオセンサ付プロトタイプマイクロデバイスを開発した。この種のデバイスで、感染者は早期に処置できる。また、早期発見プロセスは、感染の広がりを減らす可能性がある。

RITのKate Gleason College of Engineering研究者、Ke Duは、CRISPR遺伝子編集技術を利用するマイクロ流体デバイスを開発した。これによりエボラウイルスを示す核酸マーカーをモニタし検出することができる。同氏によると、そのウイルスは、感染力が強く、一旦診断されると処置は限られている。エボラ株には有名なものがいくつかあるが、研究チームは、致死率が高いEBOV株に焦点を当てた。

「個人が感染社会から他の社会に移動すると、簡単に疫病を広げることになる。それが、咳や熱の存在などエボラの何らかの兆候以前に、個々人が血液検査を行い、その後に移動が許可される理由である」と機械工学准教授、Duは話している。同氏は、迅速POC(point of care)システム、フィールドで病原体の診断のためのバイオケミストリアレイを開発している多分野にまたがるエンジニアと生体化学者のチームのリーダー。初期成果によると、チームは、テスト環境におけるエボラRNAが、5分以内に検出できることを確認した。これには、自動サンプル処理、蛍光センシングおよび、細菌適応免疫系起源、独自のCRISPR-Cas13aアセイを組み合わせている。

マイクロ流体デバイスは、自動化された小さなチップで、高感度蛍光センシングユニットがデバイスに内蔵されている。医師は、患者のサンプルをとり、それをデバイスに加える。そこでは、CRISPRメカニズムを作動させることでエボラRNAを見ることができる。Duは、エボラから、例えばインフルエンザ、ジカ(zika)までの多数の株を検出できるデバイスも開発しようとしている。
 同氏の研究は、ACS Sensorsに掲載されている。記事では、国際的な、多分野にまたがるチームが、ウイルス検出改善のためのCRISPR技術、遺伝子編集を評価している。

「この研究のために、もわれわれは安価なデバイスを開発しようとしている。特に、開発途上国、発生地域の医療関係者が簡単に利用できるようにするためである。チームは、テストのために、数100のこうしたデバイスを持ち込むことができる、一度に一つのウイルス、バクテリアと言わず、多数の異なる種類のためである」と同氏は話している。

(詳細は、https://www.rit.edu/)