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新しい「ナノピンセット」が医療にイノベーションを開く

April, 12, 2018, Austin--テキサス大学、Yuebing Zheng准教授のチームは、光熱電ナノピンセット(OTENT)を開発した。これは、物質および生体系の理解向上、ナノフォトニクスにおける広範な基本的、技術的イノベーションの可能性を開く。ナノフォトニクスは、ナノメートルスケールの光と物質の相互作用研究。研究成果は、Nature Photonicsに発表された。
 Zheng氏によると、これまで光学加熱を使ってナノ粒子を操作する方法は分からなかった。「われわれのナノピンセットで、粒子をナノスケールでコントロールできるだけでなく、粒子を分析し、その場で結合をコントロールすることもできる」と同氏は説明している。
 ナノピンセットの実証されたアプリケーションの一つでは、同氏は、UT Austin化学工学教授、Brian Korgelと協働した。
 一般的方法として、ナノピンセットは、金属、半導体、ポリマ、帯電した誘電体ナノ構造、あるいは疎水性表面に幅広く適用可能である。これまでのとこころ、研究チームは、シリコンナノスフィア、シリカビーズ、ポリスチレンビーズ、シリコンナノワイヤ、ゲルマニウムナノワイヤ、金属ナノ構造のトラップに成功している。合理的に設計された方法でこれらのナノ材料をさらに整理をすると、物質がどのように組織化するかの理解向上につながる。また、新しい機能材料発見の可能性にもつながる。
 生物学的環境では、ナノピンセットで得られた機能を活用したい研究者には、生きた細胞の操作や細胞間のコミュニケーションが主要な研究の中心となる。
 Zhengは、「現在のシステムを生体適合にすることがわれわれのプロジェクトの次のステップになる。われわれは、生体細胞や分子を単一分子分解能で操作し、薬剤を放出したり、細胞間の相互作用を研究するためにわれわれのピンセットを使いたい。生体を操作、分析することで、病気の早期診断、ナノ薬剤の発見に道を開くことになる」と話している。
(詳細は、www.utexas.edu)