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体内で溶けるFBG光ファイバを開発

February, 14, 2018, Washington--体内で完全に溶けるように設計された光ファイバにFBGが初めて作製された。生体吸収FBGは、体内で骨折の治癒のモニタリング、脳などの影響を受けやすい器官の安全な検査に使用することができる。
 吸収性縫合糸と同様に分解するように設計された新しいガラスファイバは、研究者によると、例え誤って壊れても患者にとっては安全でなければならない。
 ギリシアFoundation of Research and Technology – Hellas (FORTH)の研究チームは、イタリアの研究チームと協力している。この研究のための特殊光ファイバはイタリアのチームが開発、製造、特性評価した。論文によると、生体吸収ガラスファイバにエッチングされたグレーティングは、人体の条件をシミュレートした条件下で溶けることが確認されている。
 新しい生体吸収光ファイバブラッググレーティングは、関節の圧力センシングに使える、また心臓や他の器官に安全に到達し、評価するためにも使える。腫瘍を除去するレーザベースの技術もこの光ファイバグレーティングで改善される可能性がある。また、同時にレーザビームを送り込み、レーザアブレーションプロセスのモニタに必要になる精確なリアルタイム温度センシングもできる。
 「広く使用され、十分に調整されたブラッググレーティングのような光学素子が生体吸収光ファイバにエッチングされるのは初めてである」とIESLのMaria Konstantakiは話している。われわれのアプローチは、生体吸収光ファイバに様々なタイプの相互接続構造を作製するために利用される可能性があり、これによって体内で幅広いセンシングや生体化学分析技術が実施できる」。

溶けるガラスの作製
 体内で安全に使用できる光ファイバブラッググレーティングを作製するために研究チームは、カルシウム、ナトリウムおよびシリコンの酸化物と組み合わせたリン酸化物でできた特殊タイプのガラスを開発した。「このガラスは、優れた光学特性と生体適合、水溶性を統合しており、したがって水や体液で溶ける光ファイバを作製する信頼度の高いプラットフォームになる。その光ファイバの特性は、ガラス成分を適切に変えることによって調整可能である」とトリノ工科大学のDaniel Milaneseは説明している。
 FBGは、特殊波長を光が来た方向に反射するようにレーザでパタンを描き込み作製する。チルトタイプFBGは、ファイバコアから反射光の一部を逃がして周囲のクラッドに入れる。このタイプのFBGは、センシングに使用されることが多い。ファイバの円筒面の変化が反射光を変えてモニタできるようにするからである。
 研究チームはチルトタイプと標準の両方のFBGを作製した。描き込みに使ったパラメータがグレーティングのセンシング特性にどのように影響するかの理解を深めるためである。生体吸収ファイバをに所定の空間強度分布でUVレーザ光を露光すると、溶解後に光ファイバに対応する表面リリーフパタンができることを確認した。
 FORTHグループのStavros Pissadakisは、「この研究成果によって、これらのタイプの材料は、特にファイバ形態で、新たなアプリケーションに道を開く。複雑な流体構造、光学構造をレーザを使って作り、たくさんの特殊機能のデバイスを実現することができる」とコメントしている。
 FBG作製後、研究チームは、FBGのあるファイバとないファイバを人体のpHと温度条件をシミュレートした溶液に56時間浸した。レーザ光でエッチングしたガラスの方がレーザ光の露光がなかったガラスよりも早く溶けることを確認した。